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産地の企業が自分たちの作った製品を市場で販売しようと考えると、いつもとっても真面目に取り組みすぎてしまう。産地というのは、繊維の産地だったり、あるいは、農家であったりする。
ものづくりに対する真面目さが必ずしも消費者が欲しがるものに結びつくは限らない。もちろん、目の肥えた消費者は、品質の悪いものは受け付けない。しかし、全てを提供側が完璧にやってしまうことが消費者にとって楽しいこととは限らない。
先日、いとこの家に行った折、1歳半になる子供用のTシャツがあった。これは、Tシャツの真ん中がキャンパスのようになっていて、耐水ペンも一緒に売られており、子供がそこにいたずら書きをすることができる。無心に書いた線や点だが、それなりにおしゃれだ。親ばかは、子供に才能があるような気になって、まるで北斎の絵のようだなどと自慢する。
たまごを入れるダンボールの容器も、子供の才能が生まれるような気がして楽しい。
「born to create」というブランドのこのTシャツは、1枚3780円と高いけれども、友達の子供が生まれたら、あるいは、孫が生まれたら、喜んでギフトにしそうな気がする。
これは、海外のデザイナーの作品らしいが、人々の生活を温かく見る眼差しがこうした作品を生むのだろう。
産地の側から考えるのではなく、消費者の側から考える、優れたものづくりの技術から考えるのではなく、人がどうしたら楽しいかから考える・・こうした視点が欲しいのだけれど、商売となってしまうと難しい。産地企業の社長も、会社の発展から考えるのではなく、自分の子供や孫や、自分の趣味などから自社の製品を見直す目が必要だ。
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