ケータイ:定額制が利用スタイルを変えた
KDDIの第三世代携帯電話が1800万、ドコモのFOMAが1200万の契約者数となり、それぞれパケット定額制を導入している。これによって、携帯電話のインターネット接続サービス利用形態がずい分PCに似てきた。
日本の携帯電話は、いち早くインターネット接続サービス(iモードなど)を提供したが、それぞれの通信キャリアごとに囲い込み戦略がとられてきた。「公式サイト」は、「iメニュー」にリンクされているので利用者が選択しやすい、キャリアが課金代行をしてくれるなど優遇されてきた。
これに対し、通信キャリアに選ばれていないコンテンツの場合、「勝手サイト」と呼ばれており、どのようにして顧客を獲得するか、課金するかに頭を悩ませてきた。このため、総務省がメニューにヤフーなどの一般検索サイトも載せるようになど(メニューのオープン化)行政指導のようなことをしてきたという経緯がある。
ところが、最近のように、通信料金の定額制が普及しはじめると、利用者は料金を気にしなくて良いため、PCインターネットの利用と同様、ヤフーなど一般サイトから検索してお気に入りのコンテンツを探す行動を取り始めたようだ。ヤフーモバイルのページビューが急増しているらしい。
携帯電話は、第三世代携帯電話の導入が世界的に熱狂を巻き起こしたものの、電波オークションのバブル崩壊で勢いがなくなり、一方、PCインターネットのブロードバンド化が進んだため、面白いネタがなかった。
しかし、定額制の導入は、利用者の行動に少し変化をもたらしはじめている。
今後、番号ポータビリティ、地上波デジタル放送開始による1セグ放送、イーアクセスとヤフーの参入など、携帯電話がまた一つ大きく変化しそうだ。
携帯電話がPCやTVに近づくと、iメニューなど各通信キャリアに守られていた公式コンテンツ・プロバイダーは安泰でなくなる。選んでもらうための激しい競争や新しい開発が進むだろう。楽しみだ。
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