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2005年7月18日 (月)

竿竹や

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」という本がベストセラーになっている。

これは、会計学の本だが、私も、身の回りの疑問から経済や産業をひもとく本を書きたいと思っており、やられた!という感じだ。「自動販売機の文化史」も「回転スシ世界一周」や「魚河岸まぐろ経済学」もそうだ。

ところで、この本では、さおだけ屋は、本当は金物屋の店があって、たまたま届けにきたついでに販売しているので売れなくてもよいというような説明だったと思う(手元に本がないのでうろ覚え)。

本当のところはどうなんだろうと、ネット検索してみても、今は、ほとんどがこの本に関するもので、歴史などの情報はなかなか見つからない。

たまたま、美容院(西東京市)でそんな話をしたところ、隣の現在花屋さんが、昔(先代)はさおだけ屋だったとのことだった。花屋の先代は、植木屋さんで、農家などの庭の手入れをしていたらしい。農家はだいたい竹やぶを持っているので(暴風林なのか、たけのこのためなのか分からないが)、その手入れも仕事に含まれており、伐採した竹をさおだけとして販売していたとのこと。

私の行き着けの美容師さんは、子供の頃、その親父さんが竹にビニールを着せているのを面白くみていたそうな。

全国的に植木屋が兼業していたのか、江戸時代にはどうだったのか、いつごろから竹にビニールがかぶさったのか、それがいつのまにか金物に変ったのか。金物になってからは、誰が扱っているのか、焼き芋屋もそうだが、元締めがいるのだろうか。・・・といった産業の仕組みやその変遷は、まだ分からない。

会計学として書かれたこの新書では、「兼業」ということを理解してもらうための「さおだけ屋」なのだが、産業論を立場とする私にとっては、上記のようなことが気になる。

商売っ気があれば、光文社にベストセラーに便乗して「さおだけ屋は本当はこんな人だった」といった本を出版しないかと持ちかければよいのかもしれない。

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2005年7月17日 (日)

かもめがパンを食べる!

湖畔亭は、大浴場が最上階にある。露天風呂にヒノキのお風呂があって、良い香りだ。

朝風呂を楽しんで、汗を鎮めるために、湖が見える窓から眺めていたら、5階くらいの部屋の人が窓から食パンをちぎって投げ始めた。そうしたら、かもめが遠くから次々と寄って来て、投げたパンを空中で受け止める。

あんな遠くから、よくパンだと分かるものだし、自分たちにくれると分かるもんだと感心する。

かもめがパンを食べるなんて知らなかった。

そういえば、昔、十勝川温泉に泊まったときに、パンの耳を白鳥にあげるというのでやってみたことがある。パンの耳を出すと、たくさんの白鳥がガアガアと大勢で近寄ってきて、我先にとくちばしでつつくので(本当につつかれたかどうかは覚えていないけれど)怖かった覚えがある。水の上を優雅に泳ぐ白鳥のイメージがすっかり壊れてしまった。

今回は、かもめの空中キャッチの器用さに感心してしまった。

面白いのは、窓の下が空中庭園になっているのだが、かもめが受け取れなかったパンを拾いにまずスズメがやってくる。チュンチュンチュンチュンとけたたましく鳴きながらパンを漁ろうとする。するとそこへカラスがやってきて、スズメを蹴散らし、パンを4つも5つもくわえて独り占めするのだ。しかし、スズメもカラスの隙を狙って少しでも餌にありつこうとしている。

鳥の世界もなかなか大変だ。

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遊覧船よりモーターボート

金曜日はとてもよいお天気だったが、今日土曜日は、あいにく曇り空だ。朝のうちは、霧も出ていた。霧の洞爺湖もしっとりしていて悪くはない。

前に大沼公園に行ったときも、そういえば曇りだった。私は晴れ女のはずなのだけど、最近ツキが落ちているのかも。大沼公園では、最初に遊覧船に乗ったのだが、そのそばをモーターボートが走っていて気持ち良さそうだったので、こちらにも乗ったら、スピード感が俄然良い。

洞爺湖に遊覧船があるのは昨日チェックしていたので、それに乗るつもりだったのだが、ホテルの中庭からモーターボート乗り場が見えたので、そっちに切り替えた。

大沼公園のモーターボートは確かもう少し大きくて、全体が覆われていた記憶があるが、今日乗ったのは覆いが無い。だから、ちょっと腰を浮かせると、風が直接顔にあたり、そのスピード感をさらに体感できる。

中島という湖の真ん中にある島に下船して20分ほど散策できる。

ここには、蝦夷鹿が保護されている。最初一対の雄雌だったのが現在では300頭ほどになっているとのこと。一つの島だけでは食べ物が足りないので、別の島にも移しているらしい。ある島には、雄の鹿が一頭だけいるとのことだが、雌の鹿が泳いで渡っているのですって。鹿が泳ぎが上手いなんてはじめて知った。

透明度が高く、水がとてもきれいだ。塩分はまるでないとのこと。ビスケットを投げると、うぐいが沢山寄って来る。

でも、島にバーベキュー施設があって、脂っこい臭いがするのが、残念だ。こんなところまできて、バーベキューなんてさせなくたって良いだろうに。

鹿ときれいな水と赤い鳥居だけのほうがよほど価値が高まるだろうに。人間のあさましさ。

(お礼)

モーターボートに一人で乗ると金額が嵩むとのことで、6人+子供連れのグループに同乗させてもらいました。どうも有り難う!うぐいにあげたビスケットも、この方たちから頂戴しました。

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洞爺湖の花火

すっかりブログをご無沙汰してしまった。

現在、所用で札幌に戻っている。三連休なので、自宅に籠もっているのも嫌だと思い、急に思い立って洞爺湖に行くことにした。北海道に来て5年目だが、仕事が休みのときには東京実家に戻っていることもあり、ほとんど観光地には行っていない。

独りだし、連休だしとおそるおそる幾つかのホテルを当ったが、やっぱりなかなか難しい。独りを泊めたくないのだろう、空いているけど4万円の部屋しかないという。4万円出すのだったらウインザーホテルに泊まりたい。独りでも泊まりやすい簡保やKKRは、噴火後の復興を諦めたのか、ご時世なのか閉鎖されてしまったらしい。

こういうときの頼みの綱は、野口観光で、ここはビジネスマンが独りで温泉を楽しめるようベットの部屋がある。函館も、野口観光の啄木亭しか泊まれない。洞爺湖でも、野口観光の湖畔亭ならこういう部屋がある。金曜日ならツインの独り利用、山側で二食付き、1万5200円で泊まれた。

野口観光は「プリンスホテル」という名称を使っており、昔、西武グループのホテルだと思って行ったらひどい施設だったので嫌っていたのだが、温泉地の旅館はまぁまぁである。

誉めておくと、エレベーターの中に、高齢者などが腰掛けられるように椅子が用意されていたり、温泉の洗い場に足の悪い人用に高い椅子とそれに合わせた洗い場が複数設けてあるのは感心だ。自分が足を悪くしてから、こうした配慮が有難い。

札幌に来た5年前は噴火で大変とのニュースを聞いていたが、現在では、そこが(新しくできた火口が)遊歩道になっていて当時を偲ばせるものの、そんなことなかったように普通の観光地となっている。

昭和新山、有珠山と、怖い火山を観光資源とし、その恵みである洞爺湖や温泉を楽しんでいるのだから、人間というのは、たいした(恐れを知らない)ものである。

ところで、花火だが、夏には、毎夜やっているらしい。

海や湖は、そちらに面していることが昼間は価値になるものの、夜になると何も見えないので価値がなくなる。昔、マリナデルレイにドライブして海の見えるレストランで食事をするというのでワクワクしていったのだけれど、夜になってしまったので、何も見えなくてがっかりしたのを思い出す。しかし、花火が打ち上げられるとなれば、闇夜でも湖の価値が高まる。

洞爺湖の花火は、隅田川の花火のように大仰ではないのだけれど、湖の周りの全てのホテルから見えるようにとの配慮なのか、モーターボートが移動しながら、打ち上げてくれるので、開け放たれたホテルのロビーや中庭から間近に見えるのが嬉しい。

空高く打ち上げられ丸く花開くものと湖面間際に仕掛けられる扇型に開くものとが呼応しあう。黒いキャンバスに金色の花が広がり、それが柳のように静かに落ちながらゆっくり消えていく様がとても素敵だ。喧騒とは無縁の静かな花火というのは、初めて体験した。

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