洞爺湖の花火
すっかりブログをご無沙汰してしまった。
現在、所用で札幌に戻っている。三連休なので、自宅に籠もっているのも嫌だと思い、急に思い立って洞爺湖に行くことにした。北海道に来て5年目だが、仕事が休みのときには東京実家に戻っていることもあり、ほとんど観光地には行っていない。
独りだし、連休だしとおそるおそる幾つかのホテルを当ったが、やっぱりなかなか難しい。独りを泊めたくないのだろう、空いているけど4万円の部屋しかないという。4万円出すのだったらウインザーホテルに泊まりたい。独りでも泊まりやすい簡保やKKRは、噴火後の復興を諦めたのか、ご時世なのか閉鎖されてしまったらしい。
こういうときの頼みの綱は、野口観光で、ここはビジネスマンが独りで温泉を楽しめるようベットの部屋がある。函館も、野口観光の啄木亭しか泊まれない。洞爺湖でも、野口観光の湖畔亭ならこういう部屋がある。金曜日ならツインの独り利用、山側で二食付き、1万5200円で泊まれた。
野口観光は「プリンスホテル」という名称を使っており、昔、西武グループのホテルだと思って行ったらひどい施設だったので嫌っていたのだが、温泉地の旅館はまぁまぁである。
誉めておくと、エレベーターの中に、高齢者などが腰掛けられるように椅子が用意されていたり、温泉の洗い場に足の悪い人用に高い椅子とそれに合わせた洗い場が複数設けてあるのは感心だ。自分が足を悪くしてから、こうした配慮が有難い。
札幌に来た5年前は噴火で大変とのニュースを聞いていたが、現在では、そこが(新しくできた火口が)遊歩道になっていて当時を偲ばせるものの、そんなことなかったように普通の観光地となっている。
昭和新山、有珠山と、怖い火山を観光資源とし、その恵みである洞爺湖や温泉を楽しんでいるのだから、人間というのは、たいした(恐れを知らない)ものである。
ところで、花火だが、夏には、毎夜やっているらしい。
海や湖は、そちらに面していることが昼間は価値になるものの、夜になると何も見えないので価値がなくなる。昔、マリナデルレイにドライブして海の見えるレストランで食事をするというのでワクワクしていったのだけれど、夜になってしまったので、何も見えなくてがっかりしたのを思い出す。しかし、花火が打ち上げられるとなれば、闇夜でも湖の価値が高まる。
洞爺湖の花火は、隅田川の花火のように大仰ではないのだけれど、湖の周りの全てのホテルから見えるようにとの配慮なのか、モーターボートが移動しながら、打ち上げてくれるので、開け放たれたホテルのロビーや中庭から間近に見えるのが嬉しい。
空高く打ち上げられ丸く花開くものと湖面間際に仕掛けられる扇型に開くものとが呼応しあう。黒いキャンバスに金色の花が広がり、それが柳のように静かに落ちながらゆっくり消えていく様がとても素敵だ。喧騒とは無縁の静かな花火というのは、初めて体験した。
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