竿竹や
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」という本がベストセラーになっている。
これは、会計学の本だが、私も、身の回りの疑問から経済や産業をひもとく本を書きたいと思っており、やられた!という感じだ。「自動販売機の文化史」も「回転スシ世界一周」や「魚河岸まぐろ経済学」もそうだ。
ところで、この本では、さおだけ屋は、本当は金物屋の店があって、たまたま届けにきたついでに販売しているので売れなくてもよいというような説明だったと思う(手元に本がないのでうろ覚え)。
本当のところはどうなんだろうと、ネット検索してみても、今は、ほとんどがこの本に関するもので、歴史などの情報はなかなか見つからない。
たまたま、美容院(西東京市)でそんな話をしたところ、隣の現在花屋さんが、昔(先代)はさおだけ屋だったとのことだった。花屋の先代は、植木屋さんで、農家などの庭の手入れをしていたらしい。農家はだいたい竹やぶを持っているので(暴風林なのか、たけのこのためなのか分からないが)、その手入れも仕事に含まれており、伐採した竹をさおだけとして販売していたとのこと。
私の行き着けの美容師さんは、子供の頃、その親父さんが竹にビニールを着せているのを面白くみていたそうな。
全国的に植木屋が兼業していたのか、江戸時代にはどうだったのか、いつごろから竹にビニールがかぶさったのか、それがいつのまにか金物に変ったのか。金物になってからは、誰が扱っているのか、焼き芋屋もそうだが、元締めがいるのだろうか。・・・といった産業の仕組みやその変遷は、まだ分からない。
会計学として書かれたこの新書では、「兼業」ということを理解してもらうための「さおだけ屋」なのだが、産業論を立場とする私にとっては、上記のようなことが気になる。
商売っ気があれば、光文社にベストセラーに便乗して「さおだけ屋は本当はこんな人だった」といった本を出版しないかと持ちかければよいのかもしれない。
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