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2005年8月 7日 (日)

キタラとPMF

久しぶりに元同僚が顔を出したというので、食事でもと思ってくれたようなのだが、あいにくコンサートのチケットを買ってしまったという。

この先生は、冬はスキー三昧、夏はプール、昼はドライブ、夜はコンサートと単身赴任を楽しんでおられる。

札幌市の音楽ホール「キタラ」は、音が良いので有名なのだが、行くチャンスがなかった。また、毎年行われているPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)にも興味があったが、これもこれまで夏には東京に戻っていたので味わうチャンスがなかった。

先生が買われたチケットは、PMFのコンサートで、キタラで行われるというので、ご一緒させていただいた。地方都市の良いところは、思い立ったその日にチケットが購入できることだ。当日券だったが、良い席が手ごろな値段で手に入った。奏者は、東京クヮルテットで、仕事後に楽しむには丁度良い軽さのコンサートであった。

PMFは、若手音楽家の育成を目指した国際教育音楽祭で、毎年夏に札幌を会場に行われ、1990年にはじまったというからもう17年目になる。

よく知らないが、世界中でオーディションを行い、そこで選ばれた若手音楽家が毎年夏に札幌で1ケ月間著名な音楽家から指導を受けられる仕組みらしい。こうして札幌に来た音楽家がコンサートを開催するので、市民も一流の音楽に親しむチャンスが得られる。

コンサートホールで行われるだけでなく、芸術の森の野外ステージ、市役所や駅のホール、病院や学校などでも演奏会が催される。ついでに、東京のサントリーホールや万博会場にも立ち寄る。

この仕組みは、なかなか素晴らしいが、どこまで市民に喜ばれているのか、あるいは、この時期を狙って、観光客がやってくるまでになっているのか分からない。

以前イタリアに行った折、やはり、夏には、一流の芸術家が世界中からやってきて、教会の中庭、古い建物の庭、野外ステージなどなど、街のあちこちで毎晩のようにコンサートや演劇が催されていた。

夕方、まだ明るいうちから始まって、だんだんと空が群青色になっていく。夏の夕暮れならではの風が心地よい。木がさわさわと揺れている。石の壁・石畳だからか、バイオリンの音がそれはそれは良い響きだ。

場所にもよるだろうが、確か1500円くらいだったと思う。このコンサートを楽しみにしてやってくる観光客も多いと聞く。

食事をしてから、こうして気楽にコンサートを楽しめるのは、小ぶりな都市ならではだ。札幌もそういう意味では、都市機能と田舎機能が合わさっている心地よさがある。でも、なんとなく、クラッシックだと、まだ構えている感じがある。

札幌は、公園やホールなどの建物は立派なのだが、イタリアのように古い建物の中庭といった風情あるたたずまいの場所がないからなのか。もっと街に溶け込んで欲しいものだ。

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