« 浦河へ | トップページ | モー娘戦略その1 »

2005年8月14日 (日)

誰が主体に

「モー娘」のような事業計画書を作ると豪語したばかりだが、もう一つ繰言。

知的クラスター創成事業は、大学などの研究機関と地元企業が共同で研究し、新しいシーズを生み出すとされており、札幌エリアでもそうなっている。

ところが、それぞれの研究に参加している企業というのは、大学の先生のビジョンを具体化するお手伝いをしているに過ぎない。

つまり、参加企業にとって、喉から欲しい研究成果ではないのだ。

だから、3つの基盤研究からそれぞれ特許など(研究成果)は出ても、それを使って開発ツールを商品化し儲けようとも思わないし、開発されたツールを使って受託仕事から提案仕事に体質を変えたいと思っているわけでもない。

3つの基盤研究の成果を引き継ぎ、札幌エリアのIT企業が「ラピッドプロトタイピング」をするためのプラットフォーム(ITものづくり工房と呼んでいる)を運営するのは誰なのだろうか。

これまで首脳陣は、地元企業を一歩高めるプラットフォームを作ってきたのだから、地元の大手企業(ほぼイコール参加企業なのだが)が出資した協同事業体を設立すれば良いと簡単に考えていたようだ。

しかし、参加企業は、従来から関係のある先生から言われたし、地元に役立つのだからと言われて、気分的にはボランティアで研究を手伝ってきたに過ぎない。

それでも地元に役立つのだからと説き伏せて、協同事業体を作ったとしても、二つ問題がある。

一つは、協同事業体に出資したそれぞれの企業は、いろいろなところの仕事をしているので、新製品開発のヒントがライバルに流れかねないとして、プロトタイプづくりを委託したいと思う企業がいないことである。

二つは、協同事業体を誰が運営するのだろうという点だ(社長は誰か)。協同とは、誰も責任を取らないことなので、よほど強いリーダーでも来ない限り、雲散霧消しかねない。

そうかといって地元では、誰がどういうやつか互いに知りすぎており、誰がリーダーでもまとまらないだろう。おそらく、日産のゴーンさんのようなパワーで引っ張り、最初は怖がられても、実績をあげて回りを引き込んでいけるだけの経営のプロでなければ無理だろう。

だが、このITものづくり工房を誰が使うか見えない段階では、ゴーンさんでも引き受けるのをためらってしまうに違いない。

|

« 浦河へ | トップページ | モー娘戦略その1 »

コメント

なるほど、繰言は、全国の官民クラスターの的を射てるのですね。全国中そうだと思えば、気は楽。状況は、袋小路に入ってるので、出るのが大変、出るには、パラダイムチェンジがいる。
有志数人で、LLPをつくったら。新細胞です。LLPは、8月1日から可、第一号は、「さお竹や。。。」を書いた若い会計士の仲間がつくった。混沌としたクラスターと志のあるLLPの両輪で走る。
それから、○○○○。。。とか、脱出策が思いつく。繰言の気晴らしです。

投稿: machida | 2005年8月14日 (日) 09時31分

machidaさん、コメント有難うございます。官民クラスターでも上手い仕組みができていて成果をあげている地域もあるのです。
札幌IT企業は、オタクというか、若年寄というか、自分の殻のなかで好きなことがやれれば良いと思っているのです。殻を突き破ってしまうような底抜けの明るいバカがいない!
バカが3人居てくれたら新細胞が出来るのに。これからバカを探します!

投稿: このみ | 2005年8月14日 (日) 11時06分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 誰が主体に:

« 浦河へ | トップページ | モー娘戦略その1 »