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2005年10月28日 (金)

逃避

一生懸命仕事をしたのに、他メンバーのせいで報われなかったので、急に嫌になって、次の日サボって紅葉を見に行く。

札幌市内だが、定山渓の奥にある豊平峡だ。84810020

数年前に来たとき、たいしたことないなと思って、わずかな紅葉の写真を撮り、帰る間際になって、すごいポイントがあるのを知った。赤、黄、緑のコントラストが明確で、うなってしまった。ところが、残念なことに、もうフィルムがなくなってしまっていたのだ。

そこで、今度は、最初からそのポイントに出かけた。だが、なんだか、記憶より、赤が少なかった。旭岳がもう赤が終わりで物足りなかったので、真っ赤な山が見たかったのに。

後で聞いたら、今年は、どうやら赤があまりさえないらしい。

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2005年10月10日 (月)

テレビ電話

東京に91歳の母親を一人残している。

本当は、四年間で大学との約束が終わり東京に戻ると思っていたのに、私がまた札幌で仕事をすることになってしまったため文句が多い。

毎晩、電話をしているのだけれど、一日の電話時間が長くなった。1時間くらい話していることもある。

今日来た隣の○○さんが同じような話を堂々巡りのようにして草臥れたという文句を、同じくらい堂々巡りして私に聞かせる。

近所の△△さんが、このところ毎日にように昼ごはん時になるとやってきて、てんぷらそばやお寿司をねだるので困るなどなど。

解決策を提示してあげたつもりでアドバイスすると、私に叱られたと思ってしまうようで、かんしゃくやヒステリーを起こす。

こちらも、一人置いているという弱みがあるので、しかたなく愚痴を延々と聞いているが、職場から戻ってすぐに続きを片付けようと思っていても、仕事をやる気力がなくなってしまう。

そこで、母親と自分と両方の携帯電話をFOMAに買い換えた。

というのは、テレビ電話機能が付いたからだ。

新しい機械ものをすごく嫌がるのだけれど、それでもラクラクホンにし、呼び出し音が鳴ったらここを押すだけでよいと教えて、なんとかテレビ電話での会話が可能になった。

もっとも、携帯電話だと聞き取りにくいので、会話は固定電話でやりとりしながら、顔だけ携帯電話で見せるようにしている。

顔を見れば安心するらしく、最近では15分くらいで話が終わるようになった。

IP電話にすれば、もっと安くテレビ電話できるのかもしれないが、電話番号が変るとか、工事が入るなどとなると、またパニックになるので、とりあえずは、FOMAさまさまである。

そうそう、これは助かっているので、特記しておかなくては。

私は、現在身体障害者になっているので、「ハーティ割引」を適用してもらっている。これは、毎月の基本使用料が50%割引になる。ドコモだけなのかと思ったら、ほとんどの携帯電話会社が同じようなサービスを提供してくれているようだ。

本当に歩けない人や目の不自由な人ではなく、私のように不安を抱えながらも歩ける人まで割り引いてもらって良いのだろうかという忸怩たる思いはあるのだが。

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カムイミンタラ

先週仕事がめちゃくちゃ忙しかった。土曜日もやらなければならない宿題があったのだが、寝不足が続いていたので、やっぱり三連休と思うだけで気持ちが緩んでしまい、寝坊したり、なかなか仕事に身が入らない。結局ぐずぐずと夜中の3時ぐらいまでかかってしまった。

でも、来週もまた蛸部屋のような生活だろうし、日・月は天気が良いというのに、ずっ~と自宅でパソコンに向かっているとノイローゼになってしまうだろう。

そこで、土曜日の夜に思い立ち、朝早く起きて、旭岳と天人峡に出かけることにした。

前に層雲峡に行ったときに紅葉が終わりかけていたのだが、あれは確か10月20日頃だったように記憶する。だから今度こそ、紅葉真っ盛りだろうと張り切って行ったのだが。

残念ながら、旭岳の紅葉は、9月20日頃が見ごろなのだそうだ。10月上旬だって早いと思っていたのに、なんと9月だなんて!

赤がほとんど落ちてしまって、黄色ばかりだった。

おまけに、ロープウェイで上の駅まで行くと、もう木は生えていなくて、高山植物とか低い木だけになる。

Fh000021 でも目の前に雪をかぶった 旭岳が真っ青な空を背景に聳え立っているのは、さすがに迫力があった。

姿見の池(旭岳が映る)まで散策路があるというので歩きはじめたが、普段でも階段に苦労している足の悪い私には、結構な冒険だった。散策路というには、岩がごろごろした上り下りが続くのだ。

紅葉狩りして温泉にでも浸かろうという安易な思いだったのだが、ちょっとした山歩きになってしまった(一般の人には丁度良いくらいの散策路なのだろうけど)。

紅葉が物足りないので、少し標高が低い天人峡にも行くことにした。こちらは、赤の紅葉がちょうど良い頃であったが、緑も多い。どうやら、層雲峡よりもともと赤くなる木が少ないのかもしれない。

有名な羽衣の滝だけ見物しようと思った。

こちらは比較的歩き易いのだが、旭岳でずいぶん足を使い棒のようになってしまったので、ころばないよう気をつけながら歩いた。

でも、行った甲斐があって、品の良いきれいな滝だった。高いところから、筋状の滝が続く。Fh000010

バスの時間まで約1時間あるので、バス停に近いホテルで日帰り入浴をする。

Fh000011 着替えを持っていかなかったので、汗をかいた服をまた着たのだが、それでも一風呂浴びると身体が軽くなって気持ちよい。

大雪山というのは、どの山というのではなく、いくつもの山からなる山系らしい。

アイヌの人たちが「カムイミンタラ」と呼んでいたとのことで、これは神々の遊ぶ庭という意味とのこと。

近くを流れているのが忠別川というのだけれど、これはアイヌの人たちが「チュプ・ペッ」と呼んでいて、チュプというのが朝日、ペッというのが川で朝日の昇る東の川という意味らしい。それで旭川という名前になったとのこと。Fh000002_2_1 (天人峡温泉そばを流れる川、とても水がきれい。でも、これが忠別川かどうか未確認)

アイヌの人がつけた地名ってなかなか素敵だ。旭岳は、短い夏の間に高山植物が咲き乱れてとってもきれいだというから、神々の遊ぶ庭というのにふさわしいんだろう。

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2005年10月 6日 (木)

駅弁

明日朝までの資料作成で夜10時過ぎまで職場に居た。

家まではJR+地下鉄か地下鉄+地下鉄で帰る。どちらも同じくらい時間がかかるのだが、空港行きの快速が出ている時間帯はJRを使ったほうがちょっと速い感じがする。

夜遅いので、もう快速はないが、丁度普通列車が出そうだったので、JRの切符を購入して改札してしまった。しかし、足が悪いので歩きが遅いこともあり、何番線かを確認したりなどちょっとのタイミングで逃してしまった。

次まで20分以上ある。

じゃぁ駅で食事をしようと思ったら、おでんをはじめましたというレストランに出くわした。さぁ入ろうとしたら、お財布がない。あれ、さっきペットボトルを買いに行った後、机のうえに置きっぱなしだったかしらなどとリュックのポケットをいろいろ探しているうちに、閉店ですの看板がぶら下がってしまった。

財布は出てきたのでホットしたものの、ほんのちょっとのタイミングで列車もおでんも逃してしまうなんて間が悪い、いかにも私らしい。

札幌は、9時を過ぎると食べ物やはだいたい閉まってしまうので、どうしようか、コンビニでおでんでも買って帰ろうかと思った目に駅弁の売店が入ってきた。

そうだ、まだ20分もあるのだから駅弁を買ってベンチででも食べようと、鳥めしというのを710円で購入。

また乗り損ねると困るので、ともかくホームに上がってみると、なんともう列車が来ていた。

そこで、列車のなかで駅弁を食べることにした。

私が降りる駅まで普通列車で20分、快速なら10分もかからない距離だ。列車といっても、いわば通勤電車なので、駅弁を食べるのはちょっと気が引ける。

でも、そこは、ほとんど知り合いの居ない町でのこと、堂々と食べることにした。

もう冷たくなっていて、おこわがぼそぼそと固い。ゆっくり噛んで食べたけど、ちょうど食べ終わった頃に出発となった。

出発近くなって、隣の席に人が乗ってきたときには、さすがに恥ずかしかったけれど知らん顔して食べ続けた。

駅のそばに暮らしているのはある意味とっても便利だ。

仕事がずれこんで昼食が2時過ぎ、普通の店屋なら休憩時間になってしまう時間帯でも食べ物やがいつも開いている。夜だって終電までは何かしら売っている。

列車待ちの人のために休憩する場所もあればテレビもある。

そのうち、家に帰らないで、ここで寝泊りしてしまいそうで心配だ。

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2005年10月 5日 (水)

これきてどっとこむ

http://collekite.com/これきてどっとこむ」をご存知でしょうか。

これ着て.comという意味で、北海道に旅行するのに、何を着て行ったらよいかを知らせるために、一目瞭然、「今日の服装」でその日の誰かの写真を掲載するというもの。

5日の予報でみると、東京が最高気温23度C、最低気温17度Cとなっているところ、札幌は、それぞれ19度と8度だ。だから、本州から旅行する人は、何を着ていったらよいのかわからない。言葉で説明すると、コートを持ってきたほうがよいのじゃないと言えばよくても、なかなか分かりにくい。

そこで、写真で見せるようにしたというのだ。

そのなかに、さらに層雲峡のコーナーがある。黒岳ロープウェイを経営しているりんゆう観光がリンクしている。

層雲峡は、もう既に初雪が終わっているのだから、もっと寒い。本州から来る人だけでなく、札幌などから行く人だって、寒さの感じが分からない。

りんゆう観光で、ここにコーナーを設けようというときに、社員は、写真を掲載すると、個人情報だし、まずいことになるのではないかと心配したらしい。でも社長がやれということでやってみたら、結構お客さんは喜んで写真を載せることに同意してくれるとのことだ。

これを通じて「どこから来られたのですか」とか、「今5合目くらいが紅葉が見ごろですよ」などと、お客とコミュニケーションが図れるようになったという効果もあったらしい。

社員が黒岳の日々の写真を撮って掲載したり、掲示板へのコメントに答えるなど、このコーナーをはじめたお蔭で、幅広い接客の姿勢が身につき、また何気ない観光資源にも気づくようになったとのこと。

今週末から来週くらいが紅葉の見ごろらしい。

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2000円

このところ、缶詰状態で仕事をしているので、昼休みは思い切りちゃんと遊んでやろうと思っている。

だから、少し空き始める13:00頃に出かける。

今日はすっごく良いお天気。事務所のある8階の窓からちょっとだけ見える手稲山がくっきりしている。

う~ん、どこかに遊びに行きたいなぁ。でも忙しいので、目一杯遊んで1時間しかないし。

そうだっと思い立って、近くのJRタワーのホテル日航の最上階に近いレストランに行く。

ちらっとみて、1000円のバイキングならいいやと思ったら、支払うときになって2000円と分かった。混んでいたけど、一人なので、カウンターならOKとのことでともかく座る。

ここは数回目だけど、すっごく見晴らしが良い。全部ガラス張りで、藻岩山が目の前だ。今日のような良いお天気の日は、本当はガラス越しではなく生の空気が嬉しいのだけど、まぁしょうがない。

早く帰れたら、藻岩山のロープウェイに登れば、夜景もきれいだろうなという気持ちよさ。ヘリコプターが飛んでる。

札幌ドームも、大通りの三越も、テレビ塔も、み~んな見渡せる。

バイキングなので、奥の方に料理を取りに行ったら、そちらの窓からは、石狩湾の真っ青な海も見えるではないか!お料理を取りに行く振りをして、何回も景色を見に行ってしまった。

まぁ今日は、きものの展示会があるからということもあるのだろうけど、昼間こういうところでほおばっているのは、ほとんど中年女性だ。

イカ墨のカレー、サラダ、なんだかの肉、有機野菜の茹でたの、コーヒーとちっさ~なケーキ2ケ。昼だから、余り食べてしまうと後眠くなってしまうので、腹八分目。ちょっとおしいような。

でも、天下を取ったような景色を堪能したから、まっ、いいか。

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贅沢

北海道は、すっかり秋が深まっている。

天気が良いと実に空気が清々しい。日曜日、空が真っ青で高い。スジ雲やイワシ雲が出ていていかにも秋だ。トンボがいっぱい飛んでいる。緑の芝生の公園では、子供たちや家族連れが三々五々遊んでいる、犬を散歩させている人、キャッチボールをしている人・・。

札幌地区は、大通りをバスや車で走っていると落ち着きのない街にみえるが、一歩奥に入ると見事な住宅街に出くわす。敷地が西東京市の我が家よりおそらく2倍から3倍、100坪から150坪あるのが普通といった感じで、個々の家々が庭の手入れも良くしていて、みたこともないような花々や野菜などが植わっている。

いとこが田園調布に住んでいるので、時折遊びにいって散歩するが、田園調布より立派で個性的な家々が立ち並んでいる。とても一人当たりGDPが東京の8掛けで、失業率が高い地域には思えない。

nanakamado02s この間散歩していてふと入り込んだ住宅街は、街路樹にナナカマドが植わっていた。札幌では、これがいたるところに使われている。冬に葉っぱが皆落ちても真っ赤な実が残っていて、白しかない雪景色のなかでとっても可愛らしい(写真は冬のナナカマド)。

今は、一部紅葉しかけているところもあるけれど、まだ葉っぱは緑で、そこに真っ赤な実がたわわになっている。その根本には、真っ赤なサルビアが植わっているので、ゆったりカーブしている道にそって真っ赤と緑がとっても映えていた。

その後、露天風呂に出かけた。

天気がよいので、遠くの山々がくっきりみえる。だんだん夕方になってきて、雲が茜色に染まってる。山々の色に黒さが増してくる。お風呂に漬かっているうちに、一番星がきらきら輝きだす。ボーっと汽笛がなって、列車が通り過ぎていく。

これはたまらない。極楽だ!

田舎の都市に住む贅沢だ。

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2005年10月 1日 (土)

電子音に管理されている

ピピピピピっと言う音で目が覚める。

そうだ、今日は、国勢調査表を9:00に取りに来るんだったっけと起き上がり、一応身支度を整える。

すると、ピンポーンという音がなって、調査員の人が来た。

トイレに入っているとチーンと音がする。あれ、なんだっけ。

そうだ、パンをトーストしていたんだ。

朝食をとっていると、ピーンピーんぴーんと何か音がする。ああそうだ、洗濯機をまわしていたんだ、終了したんだな。

食器を片付けながら、冷蔵庫の中身をチェック。いざという時用に日持ちするものを買っているのだけど、つい外食してしまうとあっと言う間に賞味期限が切れている。賞味期限に頼るのもなんだけど、一人暮らしだし、おなかが痛くなるのも嫌なので処分する。

と、ピピッ、ピピッと音がする。冷蔵庫のドアを長めに開けていたので、閉めないとまずいよというお知らせだ。

洗濯物を干していると、チャラららら~と音がする。そうだ、最近パソコンの立ち上がりが遅いので、電源を入れていたんだっけ、ウィンドウズが無事立ち上がったという知らせだ。

と、ことほど左様にさまざまな電子音が私にいろいろなことを気づかせてくれる。

気づかないと確かに困るのだけれど、電子音で追いまくられているような気がしてくる。

昔の剣豪は、眠っていても、ちょっとした気配で、ガバット枕元に置いてある刀をつかんだりする。もっと大昔の人は、風の音やかすかに漂う獣の臭いや雨のニオイでさまざまなことを予知し、リスク管理していた。

だから、何時の世でも、生きていくためには、音やニオイや風に注意を払わなければならないのだろう。

トーストが焼け焦げちゃったり、目が覚めずに調査員の人に失礼してしまったりしないように、センサーと電子音が知らせてくれているのだから、自分で四六時中注意を払って緊張しているより楽だし、失敗が少なくて、ありがたいことなのだろう。

でも、なんだか自分が工場のベルトコンベア上に流れているケーキかなにかのような気がしてくる。

よく練られた生地になって夜寝かせられ、朝9時になったらオーブンに入れられ、焦げないように時間通りに焼きあがられ、ばい菌がつかないように温度管理されたホイップクリームで飾られ、ちょうとよい長さに切られたセロファンを巻かれ、印刷された紙の上に載せられ、そのうえにちょどよい大きさの果物を載せられ、さらに流されて、ケースにつめられ、温度管理されたトラックで流通センターに送られるといったような感じだ。

立ち止まったり、よそ見をしていると、後ろから来るケーキとぶつかって形が壊れて不良品になってしまう。いい気持ちで寝ていると焦げすぎてしまって不良品になってしまう。

ユビキタス社会って、こんなんだったっけ。

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