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2006年10月28日 (土)

謎掛けと川柳

講演会などでなかなか上手に話せない、間が取れない、笑いが取れない、落ちが取れないということがあって、一時期謎掛けや川柳を最初に使おうと試みたことがあった。今回ファイルを整理しているとその苦心のあとがうかがえる。

「日本と掛けて熟れた西瓜と解く」その心は「見かけは良いが中はぐずぐず」

これは、バブルの頃に「日本は豊かになったのだろうか、真の豊かさとは」という話をするときに使ったもの。

また、94年の小田急学会は、全体のテーマが「情報」だったようで、私は、第二分科会でバーチャル・カンパニー(VC)が主役という報告した。その時のメモとスライドが出てきた。

この折には、確か講談師のマネをして張り扇を使おうと思った記憶がある。でも、張り扇というのは売っているものではなく、自分で作るとのことで、あきらめて使わなかったかもしれない。

節ごとに、小項目を五七五で作り、声を張り上げて読み上げ、それに合わせて紙芝居やのようにスライドをさっと取り替えるというようなことをしたと記憶する。

たとえば、最初の節では、「一心にコスト下げたら円高に」と読み上げ、円高が常態化したなかで日本の産業は、これから新しいものを創造していかなければならないという説明をした。

Save0000_1 そのためには、「クリエイト組織も人も新しく」として創造に適した組織や人材が求められる。スライドでは、クリエイトを栗を8つ描いてみた(スライド1)。組織は、映画づくりのように、プロジェクトごとに関心を持つ専門家が集まり、恒常的ではなく必要に応じて組成される。野球型ではなく、サッカー型でより専門家に判断が任される(スライド2)。

「ビッグバン新しい世界の誕生だ」とし、VCでは、多様な資質の人々が互いに触発しあい、知識の爆発が起こる(スライド3)。

Save0002 これまでの組織(リアルカンパニー:RC)では、何故創造型ではないかというと、「黄信号皆で様子をうかがおう」他社がやっているかどうかなどの情報に頼る)からで、これまでの就職先の選び方は「大樹には雷様もやってくる」(寄らば大樹の陰)だったからで、そういう命令で動く組織にいると枠にはまった人材になってしまう。

「飛び出そうやりたいことがあるはずだ」(スライド4)人は本来いろいろな形をしているものであるから、枠から飛び出せばもてる資質が目覚めるはず。

「昼あんどん五時から男夜は虎」スライド5)VCは、江戸時代の連に似ていて、連では、身分の差を乗り越えて、多様な資質を持った人々が才能を発揮しあった。解体新書を翻訳した蘭学社中もそうした連の一つであった。昼間とは異なる別の顔を持っている人たちが新しい文化や学問を切り拓いていった。

Save0001 「今日はハロー悠好ボンジュール」94年にはインターネットはまだ普及していなかったが、コンピュータと通信によって連は世界中の人が参加する可能性がある。ネットワークを活用すればいろいろな顔でいろいろな連に参加しやすくなる。

「御利益は無病息災商売繁盛」(スライド6)VCの活動は、必ずしも経済活動だけではなく、環境保全や福祉など直接金儲けにはならない分野も含まれる。VCは、人間の持てる資質を十分に開花させ、多様な資質がぶつかりあうことで知的爆発が起き、そこから次々に新機軸が生み出されるはず。

インターネットが普及した今日では、ネットのお陰で多面的な活動をしている人、海外とのネットワークを活用している人は増えているし、そうしたことがしやすくなっているのも事実だ。しかし、この頃思っていたほどには、知的爆発は起こっていないし、プロジェクト方式の組織形態も一般化しているわけではない。

また、私も、綾小路きみまろのように、駄洒落上手になれていない。

(なお、発表に使ったスライドのイラストは、らんぐど社による。)

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