Stew Leonald
アメリカの小売業で素晴らしいところがあるというので、確か1998年にアメリカに出張した折、その小売店に行って来た。
コネチカット州Norwalkにある「Stew Leonald」がそれだ。NYマンハッタンのホテルに泊まっていたので、タクシーをチャーターして行ったのだが、一日仕事だった。もともとは牛乳工場だったのを買い取って小売店にしたというので、マークは乳搾りの絵になっている。
この絵は、買い物したビニール袋の絵を写し取ったもので、何かの折のスライドに使おうと取っておいたが、結局使わずにしまわれたままになっていた。
流通業に詳しい知人達に言わせると、日本の流通業界の人々が皆視察に行き、感心して帰ってくるのだが、まだどこも日本で実現していないのだという。
流通業界のプロが実際には、何を感じたのかその後問いただしていないのだが、要は縁日のような賑わい、エンターテインメント性の演出のことなのだろうと思う。
アメリカのスーパーマーケットというとだだっ広くってカートを押すのも容易というイメージであるが、ここは、ごちゃごちゃしている。入り口が焼きたてパンの工房なのでおいしそうな匂いが鼻をくすぐる。
野菜売り場では、たとえば、りんごがいろいろな種類並べられていて、どのりんごは焼くのに良いとか、ジャムに良いなどのポップが貼られている。その場でジュースにしてもらったり、カットした果物を詰め合わせてくれる。ケーキ売り場では、家族のイベント(誕生日など)のために、写真をそのまま焼き付けてくれる。シチューなどを購入すると、出口にあるベンチで食べられるという具合だ。
また、15分?間隔に、野菜売り場の上から野菜のおもちゃが出てきて歌を歌ってくれる。カートに乗せられた子供たちが皆顔を輝かせて一緒に歌を歌っている。
日本では衛生法や消防法などでムリなこともあるのだろう。
最近では、日本のスーパーなどでも、入り口がパン工房になっていたり、空間に誰でも座ったり、食べられるスペースを設けているところもある。また、マグロの解体をショーにしているケースもみられる。詰め放題が消費者参加のイベントとなっている場合もある。
でも、どちらかと言うと売らんかなという演出であって、子供たちが目を輝かせるような演出には出会っていない。
合理化省人化が進んでいると思われるアメリカで対面販売をメインにし、個別対応を進めている小売店があるのに対し、日本のスーパーは、むしろそっけない。
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