「婚活」現象の社会学
公明新聞9月6日に掲載された山田昌弘編著『「婚活」現象の社会学』の書評です。「konkatsu.docx」をダウンロード
結婚というのは、個人的なことだが、少子化など社会の問題でもある。
戦後、なんでも自由という中で、結婚も本人の自由ということで社会的な問題としてあまり扱われてこなかったテーマだ。
「自由」と言いながら、一方で男性の所得に甘んじたいという女性、親の意向を気にする乳離れしない男性など、どこか歪である。コンビニなどのサービスが発達し、元気であれば、家庭が不要で一人暮らしが可能な社会も問題かもしれない。少子化のなかで親の介護という問題もある。結婚・離婚は自由だが、子供をどう育てるかの問題も残る。
今回は、書評なので、対象の本についてしか述べられなかったが、本当は、「婚活」といった表面的なことに留まらず、家族とか社会とか、もっと本質的なことを考えなければならないテーマのはずだ。
ほとんど全員大学→就職という流れも、もう一度考え直し、見直す必要があると誰でもが思っているのだが、新卒者を3年までとするといったような表面的な修正にとどまってしまっている。
こうしたことは、行き着くところまで行って、社会現象が変わってくるのを待つしかないのだろうか。日本のこれからを見通して、本質的な議論をし、新しい制度をつくり、人々の気持ちも変化させるように仕向けることが政治や知識人には必要なのではないのだろうか。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント