2005年5月13日 (金)

地域イノベーション戦略

「産業集積がイノベーションの母体として有効に機能するための必要十分条件-地域イノベーション戦略の必要性」「sanngyou.doc」をダウンロード を産業学会研究年報に書きました。これも原稿段階のファイルですので、実際の印刷とは異なっているかもしれません。

世界中でイノベーションの母体として産業集積が図られ、産学連携が強化されつつあります。ITとか、バイオとか、同じようなクラスターが各地にあるなかで、北大・北キャンパスが成功するには、クラスター間競争に打ち勝てるようなクラスター経営戦略が必要ではないかということをまとめたものです。

そして、クラスター間の競争を高めるために、クラスターの評価・格付け機能が必要になるのではないかとしました。

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北大・北キャンパスへの課題

前述の論文をもとに、北欧サイエンスパークの紹介と北大・北キャンパス構想の課題を講演したときのパワーポイント資料です「kitacampus.ppt」をダウンロード 。(11.6M:画像が多いので重いかも)

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地域イノベーション・システム

「有効な地域イノベーション・システム構築の要件-北欧5地域から抽出された要件とその札幌エリアへの適用」「kiyo2.doc」をダウンロード を前勤務していた大学の紀要に書いたものです。これも原稿なので、印刷とは違う可能性があります。

日本では、90年代半ば以降、国のイノベーション・システムは、ずい分と改善されてきました。しかし、産業集積を考えるにあたっては、地域のイノベーション・システムを考える必要があります。

science_park 2003年3月末に北欧(デンマーク、フィンランド、スウェーデン)の5つのサイエンスパークを訪問する機会を得ました(図をクリックすると拡大します)。これらのサイエンスパークも日々変化していますが、当時、すでに実績をあげていました。そこで、これらのサイエンスパークの事例から、有効な地域イノベーション・システムをつくるための要件を抽出し、それを北海道地域と比較してみました。

ちょうど、札幌エリアでは、北大北キャンパスにリサーチ&ビジネスパークを作る計画があるため、比較を通して課題をあきらかにしたものです。

そのなかで、北欧地域から抽出した要件がうまく当てはまらなかった点がありました。

  1. 日本のように中央集権的な経済社会体制のなかで、地域イノベーションシステムをどう構築していったらよいのか(北大の優秀な学生は本州に就職する、北大が連携する相手は本州の大手企業である)。
  2. 北欧地域の例は10~20万人規模の都市であり、200万人弱の札幌エリアには別の要件が必要かもしれない。
  3. 北欧地域の成功は聞き意識の共有化がまずあったのだが、札幌エリアの場合、これまでの補助金等への依存体質や北海道の首都機能を持っているため、危機意識を持ちにくい。

日本の地域に有効な地域イノベーション・システムを構築するにあたっては、ここをさらに研究する必要があるといえます。

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2005年5月12日 (木)

産業集積論に欠けている十分条件

「産業集積論に欠けている十分条件」「kiyo1.doc」をダウンロード について、前勤務していが大学の紀要に書いたものです。原稿なので印刷されたものと異なっている可能性があります。

日本では、経済活性化のために、シリコンバレーを手本にし、創業支援・ベンチャー育成を図ろうと、1990年代後半からさまざまな施策が講じられ、各地では、産業集積をつくる試みがなされてきました。

しかしながら、これらは、ベンチャーが生まれるための必要条件に過ぎず、これだけでは、競争力のある産業集積にはならないのではないでしょうか。たとえて言えば、料理するための材料や鍋は全部揃ったけれども、それらを沸騰させる火(十分条件)がないのではないかと考えました。

Paris この十分条件を考えるにあたって、ファッションの世界でのパリコレをヒントにしてはどうかと論じてみたのがこの小論です。(図をクリックすると拡大します)

パリコレには、プロの目利きが集まり、信頼できる評価がなされ、それがビジネスにつながるので、世界中のデザイナーがやって来る。世界中のデザイナーの作品を一堂のもとに見れるので、世界中のバイヤーがやってくる。そこでの評価が世界中に発信されるので、パリコレがファッションの世界の中心となる。・・・といった正の循環が起きています。

こうした、総覧機能・評価格付け機能・新人がデビューできる機能(イチバ機能)を持たないとその分野で世界の中心にはなれない(シリコンバレーやパリ)のではないかとしました。

これは、情報発信機能の重要性を言いたかったのですが、未消化のままです。もう一つのブログに書きましたが、林原で聞いた「高野の午睡」の話が頭から離れなかったということもあります。最近流行の言葉でいえば、ネットワークのハブにならないと、いくら集積しても意味がないと言いたかったのです。

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