2006年3月26日 (日)

創造都市さっぽろ

3月17日、18日と大阪で開催された創造都市に関する国際シンポジウムにパネラーとして参加してきました。大阪市立大学大学院創造都市研究科の主催です。イギリス、ドイツ、台湾、アメリカからの報告もありました。http://www.creative-city.net/

佐々木先生が私が札幌でくすぶっているので呼んでくれました。

当初は、「創造都市」なので、私が係っている知的クラスター創成事業の札幌地域での展開についてお話しようかと思いましたが、開催要領を見ると、どうもデジタルコンテンツや芸術がメインのようなので、札幌市が力を入れているコンテンツ政策の話をしてきました。

報告内容はこれです。「sapporo_ideas_city.ppt」をダウンロード

大阪市は、創造都市を目指しており、そこで、市立大学にも創造都市研究科を設けているわけでしょうが、実行部隊としては、シンポジウムが開催されたメビック扇町が担っています。ここは、主に、印刷業界やWeb政策業界などのインキュベーションに力を入れています。http://www.mebic.com/

同じ第二部では、このほか、横浜市の取り組みも報告されました。横浜は、文化芸術創造都市を目指しています。

札幌は、早くからIT産業育成に力を入れてきましたが、その発展形態としてコンテンツ政策に向かい、2001年に使われなくなった建物を使って、ICC(デジタル創造プラザ)を設け、クリエーターのインキュベーションをしてきました。http://www.icc-jp.com/ja/index.html

単に、場所を貸すだけでなく、久保さんというコーディネーターを雇って、メンターの役割を果たしたり、クリエーターの売り込みも行ってきました。ここがそれまでの札幌市のIT政策とは異なるところです。

これまでは、建物を建て、確かに窓口機関も設けたのですが、そこにいるのはお役所の人なので、上手く機能していなかった面があるのですが、今回は、久保さんがいることで、人材が育ち、内外とのネットワークも構築されてきました。またトマトというイギリスのクリエーター集団と連携し、年二回ワークショップを開催してきました。

もっとも、札幌では、トマトと一緒にやっているということが非常にすごいということになっているのですが、シンポジウムでご一緒したイギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのプラット教授にトマトってご存知ですかと聞いたら知らないといわれてしまいました。プラット教授は、芸術と都市の関係をご研究されている第一人者なのですが。

ともかく、こうした成果をもとに、先日、市長が「sapporo ideas city」宣言をしました。クリエイティブシティとしなかったのは、一部の芸術家だけでなく、市民一人一人が創造性を発揮するというイメージにしたかったからとのことです。

この4月からは、札幌市立大学が開校し、ここにデザイン学部もできますし、コンテンツという面では、いろいろと新しいことが始まりそうです。

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