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June 05, 2005

企業文化→「地域」文化

ピーターズ&ウォーターマン『エクセレント・カンパニー』は、かつて興味深く読んだ覚えがありますが、すっかり忘れてしまいました。野中先生が要領よく紹介しているので、これを紹介しましょう。

世界の超一流企業43社に共通にみられる特徴として、次の8項目を挙げています。

  1. 行動重視
    ・実験主義、試行錯誤主義のこと。これらの会社では、意識的に多数の実験が行われている。新製品のアイデアは詳細なプランを持たずに即テストされ、うまくいかなければすぐひっこめられる。
  2. 顧客との密着
    ・エクセレント・カンパニーの原動力は、技術、製品、戦略ではなく、顧客である。会社は顧客から多くのことを学ぶ。
  3. 企業家精神の尊重
    ・管理者は企業家のように行動する。
    ・新しいアイデアが奨励され、自己充足的なグループ間の競争が促進されている。
    ・自律性と企業家精神を育て、金銭以外のインセンティブを多様に活用している。
  4. 人を通じた生産性向上
    ・社員を生産性向上の源泉として扱っており、人間を尊重し、信頼して仕事を任せる文化を持っている。
  5. 価値観に基づく実践
  6. 基軸を離れない多角化
  7. 簡素な組織と小さな本社
  8. 緩急自在のコントロール
    ・何か問題が発生したら、臨時タスクフォースを結成する。少人数で短期間のチームを流動的かつ臨機応変に活用することで、組織の柔軟性を保っている。

エクセレント・カンパニーは、厳格なコントロールを行いながら、同時に、自律性、企業家精神、革新の発揮を奨励する。この一見矛盾したことが、価値の共有によって可能となっている。

つまり、組織に独特の「ものの見方」や「仕事のやり方」、すなわち「企業文化」によって、中央からの厳格な指令と個人の最大限の自主性の共存を可能にしているというわけです。ピータズ&ウォーターマンの研究は、企業文化の重要性に対する認識を高め、その後、企業文化の研究が盛んに行われるようになったとのことです。

この企業文化については、「サイモン2」のところでも触れましたが、「地域」文化に転用することが可能と思います。

北海道では、官主導のもとで屯田兵によって開拓された地域と民間人が一旗あげようと思って開拓した地域とでは、地域文化が異なっているようです。後者の代表が十勝で、この地域は、相対的に企業家精神に富んでいます。

北海道のなかで早くから開け、文明の窓口になった函館や小樽には、文化人的な人が多いようです。

良い地域の目指し方は地域によって異なると思いますが、良い文化を活かすとともに、新しい時代にあった地域文化を創るという観点も必要でしょう。

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Comments

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