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December 30, 2005

札幌ITクラスターの検討 その16

前に書いたものから、今考えることに使えそうなもののピックアップ。

1.地域産業のポートフォリオを4象限で考える。①花形商品(高成長、高シェア)、②金の成る木(低成長、高シェア)、③問題児(高成長、低シェア)、④負け犬(低成長、低シェア)。金の成る木を資金源として、花形商品や可能性のある問題児に資金を集中、負け犬を切る。・・アメリカでは、ベンチャー経営者(金の成る木)から名誉のためにと寄付をさせ、低所得者層の支援などをする社会起業家に資金を回す社会起業家が花形のようだ(新しいキャピタリスト)。札幌で金の成る木はパチンコ屋かもしれない。名誉のためと寄付させ、それを社会に役立たせるプロジェクトに回す、そのプロジェクトにIT企業を噛ませるというスキームは作れないものだろうか。一番分かりやすいのは、障害者にPCで自立させるとして使いやすいPC開発をする・・伊福部先生の研究をコアとして広げるでも良いかも。

2.実験主義。エクセレントカンパニー、シリコンバレー。だめもとでやってみる。

3.野中先生:「組織は、情報処理の効率化ではなく、情報を創造すべき」、「組織は主体的にイノベーションの努力を行う」、「組織は、有効な情報創造のために、冗長性や不安定性を必要とする」・・この組織を地域に置き換える。地域は、逆に冗長性や不安定性が常態である・・・有効な情報創造が行われるはずなのに、行われていないのは何故か。「組織にとって、驚きを与え、それによって解釈の次元を提供するような意味の創造は、人間同士の対話からもたらされる」・・とすると、地域には、冗長性や不安定性はあるが、解釈の次元を提供するような対話がないということになる。これは、よそ者がいて、そこと対話しているかどうかかも。よそ者がいても、排除・無視・はしごの上に載せる(単なる講演会)で対話していないのかも。

4.問題発見→解決ではなく、ビジョン→実現のための方策

5.富山の薬売りが「先用後利」や懸場帳によるワン・トゥ・ワンマーケティングを発明したような新しいビジネスモデルを札幌で生み出せないものだろうか。

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Comments

謹賀新年!!

埼玉の森です。このみ先生、ご無沙汰しております。

年末年始も地域の発展のために思索されているご様子、頭が下がります。

私は以前札幌、釧路、旭川で勤務したことがありますので、北海道はとても好きです。

でもビジネスを起こすとなると、とても大変なところのようですね。高橋知事が色んな起業支援策を打ち出していると聞いていますが、北海道の起業は活発化していますか?

私は、今年自衛隊定年退職で、退職後何か社会の役に立ちたいと色々勉強しております。

先生のブログからも勉強させていただきます。

Posted by: 埼玉の森 | January 01, 2006 06:37 PM

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