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December 27, 2005

札幌ITクラスターの検討 その6

もう一つ大切なことがプロデューサー機能の充実である。

私が昨年論文を書いたころに思っていたプロデューサーというのは、デンマークのオールボー大学のP教授をイメージしていた。大学を経営するという観点に立って、地域の資源とポテンシャリティを勘案したテーマを考え出し、ロビー活動をし、世界中から必要な人材や資金を地元に集めてくることができる人材である。P教授は、オランダの大学からスカウトされてオールボーにやってきた。

オールボー大学の学長は、産学連携については、P教授に委ねているという感じであった。P教授は、イメージから言うと高潔な象牙の塔の学者という感じではなく、やり手のブローカーのようなイメージである(悪口ではないので念のため)。

彼は、無線分野で研究所を設け(この地域が無線クラスターであるため)、EUの大きなプロジェクトを獲得する一方、サムソンなどの世界の大手から研究資金を獲得したり、世界中の大学からポスドクなどの研究者を集めている。

もちろん、この地域には、無線関係の大手企業が研究所などを設けている。これは、無線技術者が多いので、企業がこの地にやってきているのだが、これもこの大学があればこそである。

この地域では、NOVIというオウルのテクノポリスに当たるところが、インキュベーション機能のほか、誘致なども行っている。札幌エリアでは、北大リサーチ&ビジネス構想(以下北大R&B)があるので、この中核機関が誘致にも力を入れることになるのだろう。

もし、札幌ITクラスターを強化するなら、北大の産学連携の柱としてITを認知させ、大きなプロジェクトを誘致したり、大手企業の研究資金を取ってきたり、世界中からポスドクなどの研究者を呼び込む必要がある。

しかし、一口にITといってもいろいろあるなかで、大学教授間にも競争があり、どれをメインにするかで揉めてしまいそうだ。地域のITクラスター発展のために、組むと良い先生やテーマは何なのだろうか。

ところで、北大でITというと、いつも窓口になってくれているのがY先生だ。Y先生は、企業との連携、地域との連携の意味もよく分かっているのでムリをお願いしやすいらしい。しかし、先生の専門は、確か画像情報処理だ。もし、大々的に組込系を売りにするなら、本来の専門分野ではないのではないだろうか。また、組込系ソフトウェア開発で、大学の研究分野でどんな分野と組むと発展性が高まるのだろうか。

ITの専門家には、こうしたことが分かっているのかもしれないが、ITクラスターを強化するために、ITのなかでもどの分野に焦点を絞るのか、その分野を強化するためには、どんな研究分野をコアにする必要があるのだろうか。こうしたことを戦略としてちゃんと詰めて議論すべきなのではないだろうか。

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