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December 25, 2005

札幌ITクラスターの検討 その4

ユニバックが最初の商用コンピュータを作ったのが1951年なので56年前、パーソナルコンピュータ「アップルⅡ」が発売されたのが1977年なので30年前、これがネットワークで結ばれ、一般の人がアクセスできるようになったのは、アメリカでも1990年代に入ってからのことである。1995年として12年前。

エジソンが白熱灯を発明したのが1879年であったが、幅広く使われるようになるには、電力網がいきわたる必要があった。電気洗濯機、電気掃除機、電気冷蔵庫が登場するのが1900年代の最初、これらが爆発的に普及するのは、1940年代にかけてであった。新しい技術が発明されても、インフラが整ってなかったり、古い技術で設備投資したばかりであるなどにより、本格的に普及するには、40年以上かかる。

したがって、ITは、まだこれから数十年かけて普及していくのであろうから、まだまだ、革新はあると思われる。しかし、その革新のかなりの部分は、ものすごく画期的なものではなく、ニーズに対応するなかで、組み合わせやファイン化が図られていくものなのではないだろうか。

したがって、ITを使った技術革新は、多様な分野で使われることによって起きてくると思われる。

つまり、ITクラスターの高度化は、ITの研究者だけではおそらく駄目で、たとえば農業とか建設業とか自動車製造業とか、そういうITにとってのニーズ産業(お客)との連携が不可欠と思われる。

技術的なことはよく分からないが、携帯電話の要素技術は、ある程度分かっていることで、これが爆発的に普及し、インターネットとつながるなかで、新しいOSが開発されたり、薄型・小型化やセキュリティが求められるなどなど、さまざまな技術進歩が起きたのだと思われる。

現在、自動車のコストの3分の1はエレクトロニクスであるという、ハイブリッドカーになると、その比率は5割くらいに達していると言われる。自動車は、排ガス規制や省エネ化を通して、エレクトロニクス化されたが、さらに、カーナビなどを通して、通信機能が付き、自動車がネットワーク化され、端末になりはじめている。おそらく、このなかで、また新しい技術革新が起こるに違いない。

札幌ITクラスターは、こうしたニーズ産業に使われるなかで、新しい要求に対応しつつ開発に参加していくことが望まれる。

日本は、携帯電話王国であるが、クアルコムもシンビアンも生まれていない(そういえばTRONは生まれた)。

ITは、まだまだいろいろな分野で使われる。ユビキタス社会も到来する。札幌ITクラスターは、農業や医療や福祉や観光など身近なものでもよいから、まずはニーズ対応してみて、その利用が広がり、高度化していくなかで、新しい技術開発が出来るようになるのが望ましい。

ただ、そうなると、センサー技術やメカニカルな技術が必要になってくる。

ホンダがASIMOを開発しているが、ロボットを開発すると、おそらく沢山のセンサー技術や柔らかいメカニカル技術が生まれているはずだ。柔らかいというのは、自動車のように時には人を殺しかねない硬い技術ではなく、人の側に居て人に優しく接することを前提にした技術である。卵をそっとつかむような技術だ。これには、ソフトウェアも大切であろうし、バネとかアクチュエーターなども硬い技術とは異なっているに違いない。

残念ながら、札幌エリアには、こうしたセンサー技術やメカニカルな技術の蓄積が無い。しかし、必要性が明確になれば、技術のあるところと組めばよいだけの話だ。

ITカロッツェリア事業では、基盤研究と応用研究とがあって、最初は、基盤研究がまだ出来ないため、まず応用研究からはじめたのだが、応用研究が散漫(研究者の好き勝手)に行われてしまったため、途中から選択と集中で応用研究を切り捨て、基盤研究に予算を重点的に配分してきた。

これはこれでよいとして、おそらく次には、ニーズ産業の要望に応えての商品開発を続け、そのなかから、可能なら、クアルコムやシンビアンのようなある分野のOSであるとか、あるいは、柔らかいソフトウェアでデファクトを生み出すといった戦略が必要になるのではないだろうか。

いわば、応用研究のこれでもかこれでもかの開発を積み重ねることなのだが、少ない予算や前向きな企業がまだ少ないなかでは、戦略的に、成果のあがりそうなものを手がける必要がありそうだ。

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