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December 25, 2005

札幌ITクラスターの検討 その1

昨年第三者として書いた地域イノベーションシステムについての2つの論文を、現在のITクラスター強化担当者として、読み直してみた。

当時に比べ、いくつかの進展も見られるし、次にやらなければならないことも明確になりつつある。一方、認識の間違いもあった。これらについて、以下検討することにしたい。

まず、必要条件としてあげたものを検討する。

第一に、変革への意思統一である。地域の産学官が知識経済への転換が不可欠であると認識し、同じ方向に向かって行動することである。

これについては、地方自治体の財政悪化(地域経済の自立化)、国立大学の独法化(自ら稼ぐ、地域との連携)などから、行政と大学は、少なくとも、危機感を感じており、なんとかしなくてはという想いが出来ている。もっとも、具体的に機敏に動くということからは、まだ遠い。

問題は、北海道の経済界とIT産業の姿勢である。ITカロッツェリアの事業に係っている数社の経営者は、クラスターの重要性を理解し、自社のことだけでなくクラスターの底上げが必要であると認識している。

しかし、私の認識では、これがまだ地域の多くのIT企業間で共有されていない。

北海道のIT産業は、アンケート対象1200事業所、売上高では3000億円を超え、働く人は1万7000人を超える。売上高では、鉄鋼業に次ぐ第六位、従業員数では食料品製造業に次第二位である。

ちなみに、この数字は、ワイヤレス技術者が3000人もいるので、デンマークのオールボーが無線技術のメッカの一つになって大手企業を呼び込んでいることから考えても大きな規模である。

しかしながら、札幌エリアに集中しているIT企業の多くが、クラスター強化について必ずしも一致した考えに至っていない。確かに、これまで分裂していた業界団体がIT推進協会に統合化されたことは、大きな進歩である。

だが、IT推進協会が実を生み出すのはこれからだし、ITの業界団体が、既存の大手企業が参加している北海道経済連合会の一員として認められるのは、まだこれからの段階である。

札幌エリアのIT企業は、一口に3000億円といっても多様で、企業向けのシステム構築を図るところや、大手企業の下請けをしているところもある。コンテンツ系もあれば、独自製品を開発している企業もいる。このため、それぞれがバラバラだ。今のところ、自社の経営を考えることで手一杯といったところだ。

この企業群にクラスターが強化されると、自分にとってもメリットがあると知らしめ、地域貢献をしようと思わせる仕掛けが必要だ。もちろん情念でやってくれる人もいるだろうが、そこはやはり経営者なので、儲かるとか、知名度があがるといった直接的なメリットを分からせなければならない。

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