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December 31, 2005

設計科学 その2

「設計をめぐる三つの話題」として書かれたセミナー向け書き物からの紹介。

○吉田氏は、「設計」を、計画的・自覚的・事前的な設計ばかりではなく、自生的・無自覚的・事後的な設計をも意味している。

○事後的設計とは、自生的・非計画的な設計が、その成果に異論がなく、あるいは成果を認められて定着するケースを指している。

1.集合的な設計主体の設計:かつての「社会体制論」の現代化

○集合的な設計主体の設計には、2つの基準がある。一つの基準は、分権タイプと集権タイプ。もう一つの基準は、参加タイプと委任タイプである。

○二つの基準を組み合わせれば、①分権=参加型、②分権=委任型、③集権=参加型、④集権=委任型という4タイプの集合的な設計主体を設計することができる

このどれをとるかは、準拠する社会システムと設計課題とに相関して決まる。

○かつての「社会体制論」(資本主義対社会主義、市場機構対計画機構)は、この4タイプの集合的主体の在り方を、すべての設計課題を一括して問題にしていた。

○しかし、今日、ミクロとメゾとマクロのあらゆる準拠システムで、「仮想的、かつきわめて可塑的・実験的な公共アリーナ」としてのインターネット空間をめぐって、集合的な設計主体の設計が問題になる。

○社会的意思決定(社会的合意形成)ないし集合主体に関する一つのイデオロギーは、分権=参加型をデモクラット型、集権=委託型をテクノクラット型と位置づけることが多い。だが、集合的設計主体の設計は、準拠システムと設計課題とに相関して、脱イデオロギー的でなければならないのではないか。

○上記4タイプのすべてが状況相対的・コンテクスト依存的に選択の対象になって然るべきであろう。その際、もっとも重要なコンテクストが準拠システムおよび設計課題である。

・・う・う~ん。難しい!

分権=参加型をデモクラット型、集権=委託型をテクノクラット型と位置づけることは、良く分かるような気がするが、吉田氏は、そうではないと言っているのだ。時と場合によって、どれが良いかを選択すべきであると言っている・・のだろう。

取りあえず、ご紹介まで。

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Comments

地域イノベーションの皆様

皆様の方がはるかに進んで吉田先生の理論を展開検証されているのですが、私達も吉田民人先生の理論を学習、検証、批判、展開するために、「吉田民人ファンクラブ」を立ち上げています。どうかごらんになり、意見交換をしませんか。

例えば「吉田民人研究の広がりのために」という課題で書いた文章です。


現在、サイト上でも吉田民人先生が概念規定した新しい科学哲学の基づく提案や展開が多種多様な形態で、精力的に、自然発生的に行われている。これを吉田民人研究の広がりといえる。
例えばregional inovvetion 地域イノベーション のサイトでは、「設計」概念を具体的な社会政策的課題の中で展開している。このサイトで「設計科学」に関する解説1-24がある。

http://regional-innovation.cocolog-nifty.com/region/2005/12/post_39cc.html

多くの「吉田民人研究」の広がりとネットワークを張りながら、吉田先生の論文に関する文献学的研究としての「吉田民人研究」でなく、実際の問題を解決するための多種多様な「問題解決学」としての吉田民人研究でありたい。それは、吉田論文の検証であり批判であり展開であると思う。
そうした作業を、何よりも喜ぶのが吉田先生であったと思える。

吉田先生の研究成果を創造的批判展開できる力を持ちたいものである。


Posted by: 三石博行 | January 07, 2010 at 09:09 PM

皆さんへ

長岡科学技術大学 綿引研究室を中心にネットワーク上で「吉田ゼミナール」を行っています。

また、長岡科学技術大学で、昨年7月に一回目のゼミを4日間連続で開きました。

今回、3月に第二回目を予定しています。(まだ未定です)


第二回ゼミナールの計画

日程は、3月6日の午後から、9日の午前中まで

研究課題案 1 生活空間論 「吉田民人のパーソンズ批判の着地点について」
吉田民人の第一期研究課題 「社会学基礎論 パーソンズシステム論批判の最終到着点として、無意識、慾慟が作用する人間的行動とその社会的構造や機能に関する考察」について、「生活空間論 構造-機能分析」を教材にして、討論学習する。

研究課題案2 設計科学論 「自己組織性の情報科学」から吉田民人は「プログラム科学論」へと展開する。その最終目的は、科学技術文明社会で必要とされる「俯瞰型科学論・純粋設計科学」とそれを土台とする文理融合型科学技術、つまり実学的設計科学の構築であった。吉田民人の設計科学論の提案を理解するために、2002年に学術会議の委員会で提案した理論を学習、検討する。この課題は、工学、経営学、政策学等の社会システムデザイン学の基本的理論となる。

以上、二つの課題のうち、一つを選びませんか。

さらに、今回は、以上の研究会を通じて、吉田ゼミナールとしての、知的生産のあり方、つまり、論文、科学研究費申請の課題について、最終的に詰める。

1、吉田民人の研究成果を発展させるための具体的な論文テーマ

2、吉田ゼミとしての、2012年度共同研究課題、科学研究費申請

以上ですが、ご意見をお願いします。


http://www.watam.net/wsns/public_html/?m=pc&a=page_h_home

Posted by: 三石博行 | January 31, 2011 at 04:50 PM

皆さん

設計科学論とプログラム科学論に関する文書を紹介します。

「吉田民人の設計科学概念の構築過程について 設計科学の成立とその概念(1)」

http://mitsuishi.blogspot.com/2011/02/blog-post_02.html


また、プログラム科学論に関する論文も紹介します。

「プログラム科学論と人間社会学基礎論の課題」
http://hiroyukimitsuishi.web.fc2.com/kenkyu_01_03.html

Posted by: 三石博行 | February 09, 2011 at 11:22 AM

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