設計科学 その16
③自己組織性
○自己組織性もまた「法則的組織性」と「プログラム的自己組織性」とを峻別する必要がある。
○物理学出自の自己組織性は「法則(たとえば散逸構造の理論)による自己組織化」であり、そこで話題にされる「情報」-たとえばゆらぎから形成される秩序(一定のパターンや情報)-は「非記号情報」すなわち「物質の差異/パタン」一般であって、「記号情報」ではない。
○だが、社会学出自の自己組織性は、「記号情報が有する認知・評価・指令の三大機能」を基盤に据えた「プログラムによる自己組織化」である。
○「変容不能な法則」ではなく「変容可能なプログラム」を秩序原理とするプログラム的自己組織化は、「所与のプログラムによる自己組織化」を扱う「一次の自己組織理論」と「当該のプログラム自体の形成・維持・変容・消滅」を扱う「二次の自己組織理論」をともに必要としている。
○生物層の自己組織化については、生体内で物理科学法則が直接関与するために物質層の「法則的自己組織化」と生物層の「プログラム的自己組織化」が共存している。
○だが、物理科学法則の直接関与も社会法則も存在しない人間層で「法則的自己組織化」を見出すことは不可能であろう。
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