都市とカミサマ
半眼のブログで紹介した上田篤『都市と日本人-「カミサマ」を旅する-』を読んだ。西洋と都市と日本の都市の違いをカミサマへの考え方から考察している。こじつけすぎのようにも思えるし、もっと掘り下げて検討しないと「設計科学」として使えないという気もするが、示唆に富んでいて、ここから考えたいと思う箇所も多い。以下では、面白かったところ、考えたい箇所について、メモってみたい。
1.吉備の穴海
・神話を紐解くと昔の国造りの様子が分かる。肥沃な土地は、あったのではなく、土木工事をして作られたのではないか。それには、鉄や組織的な行動が必要で、バラバラに住んでいた人々が力を合わせて土木工事をするうえでは、巫女がカミサマの言葉を伝え、夫や親族の男がそれに対応して工事を行ったのではないか。
・昔の歴史は、口で物語りとして伝えられた。鬼退治の話で、一本の矢同士がぶつかって海に落ち(矢喰宮)たが、二本の矢をつかったところ、一本の矢はぶつかって折れたが、もう一本が鬼(ウラ)の目にあたり、血が流れて川となった(血吸川)とあるという。・・・実は少し前に池上喬庸『誂え刃物三代の記録-江戸鍛冶の注文帳』をパラパラとひっくり返していて、そこに、口伝(クデン)というのが書かれていた。どんな色をした時に鉄を打つと良いかというようなノウハウを弟子に伝える方法で、秘密でもあるが、そういう言い方でなければ伝わらなかっただろうという内容だ。
たとえば、「焼きは南部の鼻曲がり」・・鼻曲がりというのは、紅鮭のこと。焼きいれ火色は紅鮭の肉色ということ。本当は、もっといろいろあるらしいが、肝心なところは書かれていない。
神話や口伝など、デジタル(温度○度で薬品を○グラムなど)ではない伝え方をもっと研究すべきかもしれない。
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Comments
And most of the older players outthere know very well what that's like. I hate WoW so much and also attempted to combat it using a short stint of Guild Wars. Even while Clark Kent, you bounce higher than Michael Jordan.
Posted by: Carmelo | March 28, 2014 06:19 PM