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June 15, 2007

創造的環境の質

都市についての思想家たちが考える創造的な環境の主要な特性は、次の通り。

1.一定レベルの独創的で深い知識が集積した場所で、そうした知識が、すでにある手腕や能力、互いにコミュニケートする必要と能力を持った人材などと結び付けられること。

2.十分な財政的基盤があり、厳しい規制抜きで実験のできる余地が与えられること。

3.意思決定者やビジネスマン、芸術家、科学者、社会批評家たちに認められるニーズと、現実の機会との間に不均等さが存在する場所であること。

4.文化や科学、技術的な領域に関する将来的な変化について、複雑さや不確定さを処理できる能力が存在する場所であること。

5.インフォーマルで自発的なコミュニケーションが対内的にも対外的にも活発になされる可能性があること。多様性がもたらされるような環境であること。

6.多面的で、活発な相互作用が生じるような環境があり、とりわけそれが科学や芸術の発展と結びついていること。

7.構造的な不安定さがあること。実際、時にそうした構造的不安定さは、あるコントロールされた文脈においては、導入が必要である。たとえば、顧客の間における環境運動が運動の現実とそのありうべき姿との間で不均等を生み出している場合などがそうである。

上記3と7は、前の記事で納得したこと。4は良く分からない?他は、良く言われていること。

私的整理では、これらは、必要条件だけれど、十分条件ではない。上記を用意したら、必ず創造が発揮されるかどうか分からない。創造が発揮された地域を見ると、上記のようなことが抽出されるというに過ぎない。これが創造を駆動するキーかどうかも分からない。本質が別にあって、これらは派生かもしれない。

グローバル化のなかで地域に根ざすことを助けるのは、「制度的厚み」である。これは地域を保持する手段である。

・制度間の強い相互作用、政治レベルでの共同代表制の文化、共通の産業的目標の発達、共有された文化的規範や価値。

・社会的な雰囲気とこの雰囲気を作り出すのに役立つ制度構築のプロセスが大切?この「厚み」が企業家精神を刺激し続け、産業の地域への定着を確固としたものとする。同時に信頼関係や情報交換、都市のざわめきを醸成する。

・ある程度の制度的柔軟性は、制度的厚みのもう一つの結果である。他のどこよりも早く学び、変化するための創造的環境の組織の能力においてはっきりと現れる。

・産業革命におけるグラスゴーの造船業では、親方が成功し、弟子を育て、弟子が独立して改良したが、IT革命でも同じことが起こる。

○成長期には、さまざまな要素は、お互いに力を高めあうように活動し、信頼と業績を最高潮にする。しかし、斜陽の局面においては、これが逆に悪い方向に作用する。開放性と協同性は、閉鎖性や防衛と競争に転化しうる。

都市が生存競争にさらされていて、縮小傾向にあるときには、創造的な契機を維持するのは困難である。創造的環境は居心地の悪い場所であり、緊張と弛緩、協同と競争との間に必要なバランスをとるのに大切な不安定さを受け入れ、それを作り出そうとする。都市の戦略家の仕事とは、市場の流れを読む投資分析家のように、こうした波を読むこと。

コラム(ホール)何時の時代のどの都市も、長期にわたって継続的に革新的であり続けたことはない。著名な都市は、後代になって、何世紀にも渡って、創造性の光が吹き消されてしまったかのようだ。ロンドン、パリ、NY、ロスなどは、ある種の創造的な潜在力を各地の才能を惹き付けることによって、しばしば持続的に獲得し続けてきた。その持続力は、行政面での中心的な役割のおかげなのかもしれない。それらの都市がその種の才能を惹き付ける点で独占的な立場を占めていたことを意味する。

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