山片蟠桃
山片蟠桃は、たとえ家康が言った言葉でも、それは、その時と場所に限って言った言葉であり、環境や対象が異なるのに、金科玉条として守るのはおかしいとした。
彼は、商人からは平等に税金を取り、特権商人を拝して営業の自由を認めるべきであるとした。特権商人は、さまざまな名目で金を出す一方、さまざまな特権を貰い、独占的利益を得ているが、これはやめるべきであるとした。幕府が経済に介入することは害のみあって利益なしとした。
米が高騰すると民が困るからと低価格政策を強行すれば、供給が減るから物価は高くなる。逆に米を上げて、輸入を禁止すれば、高くなるので人は買わなくなるので米離れが生じて減反となる(今日に通じる)。凶作になると米確保のために酒造り半減令を出すが、飲酒半減令を出さなければ意味がなく、出しても守られない。需要が強ければ密造となる。
たとえ幕府が善意から上記政策を実施したとしても、「主婦連的発想」であって経済に無知である。
秀吉は、飢餓の時に逆に米を買い占めた。これにより民が苦しんだが、あるタイミングで少しづつ放出し、秋まで延ばして一人の餓死者を出さなかった。
知恵伊豆は、大火で米が不足した時に、米を買い上げたので、価格が高騰し、他藩から米がたくさんやってきた。
貧しくて米が買えない窮民を救う話と、低価格政策とを混同してはならない。①高くても米を買える人、②買うには苦しい人にはクーポンを低価格で買わせる、③本当に苦しい人にはクーポンを与える。
各藩が米の備蓄をするのが飢饉に備えるという意味でよいが、蟠桃は、全国の流通網を整備し、そこに遊米(在庫)があれば、イザというときの備えになる(その場合、飢饉の藩は、低価格対策をしてはならない)。米切手が流通しており、必要なら買える状況。
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