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June 30, 2007

地方財政の仕組み

所得税→市民税・都民税に移動とのこと。また、ふるさと納税が話題になっている。

分かっているようで分かっていなかったので、地方税を少々勉強することに。

林宏昭著『分権社会の地方財政』中央経済社を読むことにします。

1.地方の仕事(支出)
(1)補助事業:国からの補助金(国庫支出金)を受けて実施する事業
  ・義務教育、生活保護、児童保育など
(2)単独事業
  ・警察、消防、高等学校など

(1)補助事業
  ・事業量とともに、国からの補助金総額が決定される(a)
  ・(a)で足りない部分は、地方税で賄う(b)
(2)単独事業
  ・地方自治体が独自に課税を行って運営する。地方税で賄う(c)

(b)と(c)は、基本的に地方税で賄う。

地方の財政が(a)(b)(c)だけで構成されていれば簡単だが、実際には、そうなっていない。その理由は;
  ●全ての地方自治体が基本的には、全国一律の行政サービス維持が求められる。
  ●地方税を中心とする自主財源には、地域ごとに大きな格差が存在する。

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2.地方交付税
・国庫補助金と地方税では、国が「標準」と設定する行政水準の財源調達ができない地方団体に不足分として補填される。

・単に税収不足を補うとすると、地方団体は、歳出を増やし、減税を実施するなどして交付税を増やそうとしがち。→整合性を取る為の工夫がなされている。

・補助事業に関しては、所轄官庁が各地方団体の支出額と補助金額を決定する。(b')
・単独事業に関しては、標準的な団体の標準的な行政という概念を用いて財政需要額を算出する。(c')
・(b+b')+(c+c')=基準財政需要額

3.地方税制度
・交付税を交付されている団体で税率を下げれば交付税が増加したのでは、各団体はこぞって税率を下げることが予想される。→地方税法では、原則的に全国で共通した課税ベース(課税標準)が定められ、標準税率が設定されている。

・この状況では、地方交付税が不交付で済む団体であっても、国が標準的と判断したもの以外の事業は実施することができない。(財政力が行政水準に反映されない)
・地方団体が活性化などの方策によって、地方税の課税ベースを拡大し、税収を増やしたとしても、それと同額の交付税が減額される。(税収拡大のインセンティブを阻害する)

→このため、現行の地方交付税制度では、標準的な地方税収入が100増加すれば、地方交付税が75だけ減少するように仕組まれている。

○国が定める標準的な行政を展開するのに必要な地方税(基準財政需要額)-標準的な税率に基づく地方税収×75%=地方交付税交付額 

○各地方団体は、地方税収の25%(留保財源)を用いて、国が標準と定める行政以外の事業、あるいは標準と定める水準以上の行政を展開することができる。
・活性化策などによって税源を拡大し、税収が増加すれば、その25%分は、標準的な範囲を超える行政に充てることができる。

・東京都の銀行税は、標準税収入に
・交付税の枠外に置かれる部分を留保財源
・地方が標準的な税率を超えて課税する超過課税→交付税算定枠外
・地方税法に定められていない地方独自の課税(法定外課税)→交付税算定枠外

○約3000の団体のうち、不交付団体は、都道府県では東京都のみ。市町村で100団体強。

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