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July 01, 2007

いろいろ

○地方六団体の提言:地方交付税の共有税への変更、水平的財政調整の導入は、長期的な改革をイメージしたもの。

○89年の消費税導入の折には、それにともなって廃止される地方の間接税とほぼ同額の消費譲与税が創設された。所得税、法人税の減税による地方交付税財源の減少を補うために、消費税とたばこ税の一部が財源に組み入れられた。→地方の基本的な財源が制度変更前と変わらないように行われた。

06年度に三位一体改革が一応の決着をした。

10年度後のプライマリーバランスの脱却を目標として、歳出・歳入一体改革を進めることになった。(財政健全化に軸足)

地方交付税の見直し

地方財政改革を巡る議論には、個別の制度改革とは別に、道州制や隣邦性を視野に入れた国と地方のありようが議論される。
 ・市町村合併、道州制

○市町村合併の特例措置:05年3月まで→06年3月まで:4月以降は合併特例債の発行は認められない、地方交付税算定も10年間ではなく、適用期間が短縮される。
 ・合併後は、経費が削減されるはずだが、10年間は、合併がなかったものとして地方交付税を算定する。
 ・合併に伴う諸経費を交付税で手当てする。
 ・建設事業には地方債(合併特例債)を充て、将来発生する元利債還費については、地方交付税に算入する。

○市町村合併推進
 ・地方分権による権限の拡大に対応できうる行政能力向上のため
 ・行政の効率化
 *シャウプ勧告以来求められてきた、住民にもっとも身近な基礎自治体を柱とした分権の推進
 ・99年4月市町村数3229→05年4月には2395→06年4月には1821になる予定。

○税収は、国税と地方税とで6対4なのに、支出規模が4対6→税源移譲をして1対1へ
 ・諸外国と比べると、ドイツ、カナダは税収に占める地方税が約5割だが、日本は44%、アメリカ43%、スウエーデン33%、フランス19%、イギリス5%。
 ・にもかかわらず、日本では分権が不十分であり、受益と負担が一致せず自立していないといった主張は何故なされるのか。

○都道府県と市町村が同じようなことをしている。
○各地域固有の行政だけでなく、国が政策的な目的や仕組みを決定し、国が定めたルールにしたがって地方団体が支出を行っている。
○財源は、地方税と補助金や交付税などであり、住民の誰も、地域で展開されている事業を誰が負担しているのか分からない。

マクロ的に地方税の比率が高くても、分権や自立とはいえない。

○地方財政改革のあゆみ
・オイルショック後:分権(使途が限定された補助金の弊害)と財政悪化→補助金の整理統合
・85年度:補助率の高い補助事業について引き下げ(生活保護80%→70%→75%)、(交付団体)交付税の増額・(不交付団体)地方税を充てた。
・89年度地方税:消費税導入にあたって、地方間接税の整理、所得課税のフラット化のため所得割住民税の税率区分の簡素化。
・97年度:消費税率の引き上げにあわせ、地方消費税が導入された。89年度の改正時に、電気税などの比較的規模の大きかった地方間接税廃止による税収減を補うために消費税の一部が地方譲与税化していたものを変更し、95年に先行実施された住民税の減税分を補って、トータルでみた地方の歳入が大きく変化しないように調整したもの。
・道府県税の事業税に外形標準課税のあり方が検討され、一部資本金や付加価値に基づく課税が導入された。

○本来地方交付税は、好況時には、その必要額が減少し、国税が拡大する。不況期には、それぞれ逆の方向に動く傾向を示す→しかし、バブルの時期には、国税、地方税ともに増加するが、本来縮小していくはずの交付税の規模も拡大した。これは、基準財政需要額の算定において、地方が実施する事業の規模と範囲を拡大することによってもたらされた。(地方交付税の変質といえる)・・・→バブル崩壊後、財源不足が顕著になり、その補填のための借入れ、地方債への振替が拡大。

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税金の無駄遣い

財政の効率性(税金の無駄遣い)
 ・補助金ではなく地方税で事業経費を賄うとなれば、団体は、事業の優先順位を重視し、運営経費も低くするように努力するはず。
 ・それによって地方債を減らす。

○効率的かどうかの判断は難しい→支出と税負担を勘案し、地域が決定することが重要
 ・道路を未整備にすれば、効率的(小さな政府)か?
 ・道路整備し、安全管理すれば大きな政府になるが、小さな政府との差額分を民間や家計で別々に支出するよりも、社会全体として効率的ということにもなる。

○地域内の資源を公共部門と民間部門とでどのように振り分けるか、公共部門の政府支出の内容について、地域住民の満足度を最大にするにはどうするか。

○行政サービスの意思決定を、国、都道府県、市町村のどのレベルでするのが効率的か。(社会の成熟度や状況によって異なる)明治維新後や第二次世界大戦後には、国中の仕組みを短期間で整備する必要があり、国による全国一斉の、一律の展開が有効。今日では、これを吟味する必要がある。

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三位一体改革の抵抗勢力

○族議員や省庁(国の責任:金は出すが口も出す)
○地域住民(現在と同じ水準の行政サービスを得たい)→好況時に負担が増大することなく、公共サービスが拡大→バブル崩壊後、経済が停滞するなかで、減税政策が実施され、負担を伴わない財政支出の拡大が続けられてきた。
・地方団体も国に対する働きかけは熱心だが、住民への働きかけは二の次になっている。
・国税から地方税へのシフト:税を国よりも地方へよけい払ってもらうことなのに!
○人件費や人員削減がどの程度ならば、現在と同様の行政サービスを維持することができるのか、公共部門は何から手を引くべきなのか・・・議論と検証が行われていない!

●国と地方の純計ベースの歳出の比率は6対4なのに、税収の比率が逆転している。
 ・三位一体改革、税源移譲→地方団体としては、4兆円の国庫支出金の削減に対して、4兆円の税源移譲を望むのは当然。

○国は、40兆円の税収で80兆円の予算を組み、30兆円を超える国債発行に依存→(地方への税源移譲により)国庫支出金と同額の国税収入が減少すれば、国債依存度が上がる?(国庫支出金を地方に出さなくなったので、その分浮いているのではないのか?)
 ・財務省:国庫支出金削減額の8割の税源移譲、地方の歳出合理化を進めた上での10割。
 ・知事等の意見:義務的な経費の国庫支出金については10割、それ以外のものについては8割

○これまでは、地方税の75%を基準財政収入額に繰り入れていたが、今回、税源移譲される分については100%とする(そうでないと、25%分交付税が増えることになるから)。

○三位一体改革は、まず、補助金削減と税源移譲から始まった。
 ・補助金そのものの廃止と補助率の引き下げ。

○補助金廃止→それまでの事業は、補助金分と地方税等によって賄われていた部分が単独事業にシフトする。それまでの事業をするか、別の事業をするかは自治体の判断(自治体はこれを望んでいる)。しかし、補助金廃止の場合、税源移譲がないこともある(たとえば、建設国債が財源の公共事業)(事業が国によって義務付けられていない場合)。

○補助率削減→生活保護や義務教育。しかし、補助事業である限り、事業総額は国が決めている。この削減分について税源移譲されても、それはそのままこの事業に充てなければならない。

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悪化する地方財政

地方債
 ・主として施設整備などのハード事業に活用
 ・近年は、減税への対応や交付税財源の不足分を補うため(経常的な財源として)の発行が増えている。→将来世代への負担の先送り

○オイルショックをきっかけとした財政危機
 ・不況と減税による税収減
 ・79年には大平首相が財政再建を目的として一般消費税の導入を提案→自民党の大敗→鈴木内閣、中曽根内閣と「増税なく財政再建」に向けた行政改革の展開
 ・80年前半からの中曽根政権下で、国鉄の民営化などの行政改革が進められたが、財政の健全化は未だ。→竹下内閣の下で消費税が導入された。
 ・竹下内閣の下での税制改正:所得税・法人税を減税、物品税などの個別間接税を整理して消費税を導入(この制度改革は、税収はネットで減税)→再生再建のための増税ではない。
 ・この時期はバブル経済の時期と重なったので、所得税や法人税の税収が増加、その結果、国・地方の財政状況は急速に改善。
 →しかしこのことが、バブル崩壊後の財政支出を方向づけ、今日の財政状況の悪化を招いた。

バブル崩壊後、税収は90年度をピークに(地方税は91年度)減少傾向を示すが、歳出は拡大の勢いが止まらなかった(何故?)。
・税制では、97年に消費税率が引き上げられ、地方消費税が創設される。が、これを上回る規模の減税が実施された(何故?不況対策?)ため、税収は減少傾向が続く。(GDPに対する税収比率は90年代を通じて低下傾向)。

90年代後半の橋本内閣以降、さまざまな分野で改革が叫ばれる。構造改革もその一つ。
 ・バブルのような異常な神風は望めない。 
 ・一連の税制改革において、所得税、法人税の税率は引き下げられてきたので、景気回復しても、かつてほど大きな増収にならない。
 ・財政収支の改善には、何らかの増税は避けられない。
 ・財政支出構造をそのままにしていたのでは増税についての納税者の同意は得られない。
 ・少子高齢化で福祉的分野における公共部門への期待も高まると予想される。
⇒拡大してきた地方の歳出を見直し、合理化を進める必要がある。⇒三位一体改革

○骨太2005:財政の効率化による小さな政府の実現が目標として掲げられた。
 ・公務員の削減など官の縮小。
 ・三位一体改革。

○三位一体改革は「地方分権」を目指したものであるのに、それを通じて歳出削減を押し付けるのは不合理である(地方団体)

○三位一体改革=「地方分権の推進」+「財政の健全化」

○日本の政府支出規模は、決して大きいわけではない(先進国と比べて)→財政運営に対する批判に応えるためには、支出に内容を見直す構造改革が必要。
 ・税負担の増加を国民に求めるためには、現在の公共的な歳出の徹底した合理化が必要。

○三位一体改革では、国が地方に行革を迫るという構図
 ・地方分権が実現すれば、本来、住民が各自治体に対して求めるべきもの。
 ・その上で、行政サービスの確保や充実のために負担増がやむをえないことなのかどうかを判断することができれば本当の意味での地方分権や住民主導の財政運営が可能になる。

○財政の機能(効率性と公正・公平のバランスを保つ)
 ①市場経済を通じては供給されない、あるいはされにくい公共財を提供すること。
 ②経済安定機能。
 ③所得再分配。

・市場経済なので本来格差が生じる→治安面や町の雰囲気など社会的不安を引き起こす可能性がある。→経済安定機能
・働く意欲はあっても、障害があってムリな場合がある。
→過度の不平等を是正し、最低限の生活保障を行うために再配分政策を実施する。
→2つのルート:①課税(累進課税)、②支出の再分配

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地方財政改革

00年「地方分権一括法」施行(第一次分権改革)による変更;
 ・機関(知事・市町村長)委任事務と団体(地方自治体)委任事務の廃止
 ・地方の事務・事業が「法定受託事務」と「自治事務」に区分された。
 ・但し、財源構成は従来の仕組みが継続された。

財政面での分権化→地方の自主財源である地方税の充実
 ・02年に片山総務大臣が5兆円の国庫支出金の削減と税源移譲をセットにしたプランを示した。
 ・地方税の拡大→交付税の減額要因
 ・補助金削減→交付税の増額要因
 ①地方税増大>補助金削減 の団体では歳入拡大
 ②補助金削減>地方税増大 の団体では従来と同じ歳入が確保
 ⇒結果として、①(富裕団体)が地方税で吸収した補助金削減分が全体の歳出削減分となる。

三位一体改革
 ・補助金を削減して地方税を拡大し、交付税を見直すこと。
 ・03年頃から注目されたのは、国庫補助金の削減。

国庫補助金の削減と一般財源化
 ・国税から地方税への税源移譲は伴わず、補助金の削減による財源不足は、地方交付税で補填するというパターン。

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小泉首相「4兆円の補助金削減と3兆円の税源移譲」を明言。
 ・補助金の削減によって省庁の権限縮小につながる→省庁からは削減メニューが出にくいとの考えから、地方団体の側から補助金削減の具体案を提示すること。

04年4月麻生総務大臣「三位一体改革プラン」
 ①所得税から個人住民税への税源移譲(3兆円)
 ②残り3兆円の国庫補助金改革
 ③05年度の一般財源(地方税・交付税など)総額を前年度水準に

04年6月経済財政諮問会議「骨太の方針2004」
 ・06年度までに3兆円の税源移譲、補助金削減案は地方団体が作成
 ・8月地方6団体が総理に「案」提出。諮問会議に提出。

05年7月知事会、1兆円の補助金改革案決定。

05年11月政府与党協議会、残る6000億円の補助金改革を決定。合計3兆円の税源移譲達成?

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三位一体改革には、それまでの補助金改革よりも、大きな歳出削減が織り込まれていた。
 ・義務教育や児童保育などの義務的な経費については、税源移譲される地方税によって賄われる。
 ・義務的な経費の補助金分を補うだけの税収増がない団体については、地方交付税が増加する。
 ・4兆円の補助金削減の中には、公共事業関連をはじめ、事業そのものが廃止されるものも含まれている。これらについては、地方交付税への振替も行われないため、団体の歳入の純減規模は、従来の補助金改革よりも大きくなっている。

○財政状況の厳しさ

・国と地方を合わせた債務残高は、800兆円に達しようとしており、GDPの1.5倍を超える政府債務を抱える先進国は他にない。

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