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March 21, 2008

地域政策研究と実践への賞3

奨励賞としては、相模原市企画財政局企画部とさがみはら都市みらい研究所による「さがみはら夢プロジェl区と2054研究報告-市制100周年のまちの姿」と気候ネットワーク・立命館大学環境保全論研究会による『市民・地域が進める地球温暖化防止』が受賞しました。

前者は、報告書そのものよりも、市制50周年に、市民を巻き込んで、50年後の姿を描き、望ましい姿を実現するために、行政や市民が何をしなければならないかの行動指針を示した。

方法論については、いまひとつ分かっていないが、検討する必要のある分野を特定し(16分野)、それぞれについてポジティブなシナリオとネガティブなシナリオを描き、何が分岐点となってポジがネガになるかを示し、市民にアンケートを取って、50年後の姿を描いてもらった。そして、ワークショップを開催し、ありたい姿を実現するために、何が必要かについて考え、今後の行政や市民自らがやらなければならないことを示した。

行政と市民とが将来のまちづくりについて共通の認識を持つことができたことが一番の成果であろう。時間も手間もかかったであろうが、良くやれたし、やった人たちにも充実感が得られたのではないだろうか。

西東京市は、前身の田無市も保谷市も昭和42年に市になったので、市制50周年は、2017年である。このときに、同じ手法でやれるものだろうか。

相模原市の人口は70万人、西東京市が19万3000人、小さいほうが本来やりやすいはずだけれど・・。

もう一つは、京都議定書が取り交わされたCOP3(気候変動に関する国際連合枠組条約締約国会議第三回:京都会議)が開催されたのが97年12月、その前に設立された気候フォーラムが前身の全国組織である気候ネットワークと立命館大学の和田武教授が主宰する研究会が作成した本である。詳細目次と事例をメモったものを添付しておく「ondankaboushimemo.doc」をダウンロード

彼らは、長年にわたって、市民・地域レベルでの温暖化対策促進に向けた活動を実施してきたが、それにあたって得られた情報やノウハウを多くの人に伝えたいとこの本をまとめたという。先進事例について紹介するとともに、これから取り組む人たちのためにヒントを提供している。

講評では、ドイツやスウェーデンは国の環境政策がしっかりしているが、日本では国レベルの政策が遅れていて、企業の自主的対応に頼っているのが現状であること、この本は、日本の事情をもとに、意識の高い市民が地域を巻き込み、自治体とコラボするのが現実的ではないかとして、そうした事例を紹介しているとしている。エネルギーの地域自給度を高めることが、地域経済の持続可能性を高めるということが事例で実証されているとのことである。国の温暖化政策に対する提言をしてほしかったと講評されている。

授賞式に配布された「気候ネットワーク通信」59号では、巻頭でダボス会議での福田さんの発言について批判している。良く分からなかったので、ネットで調べたら、ようやく分かってきた。

日本は、京都議定書で約束している(08年から12年までに基準年90年に対し)6%削減するという削減目標を約束しているが、それを実現するための具体的な計画を示していないらしい。日本の国内で削減する政策を打ち出さずに、海外との取引でまかなうとしていることへの批判があるようだ。おまけに、アメリカの意向を受け入れて、京都議定書で決められた各国別の削減目標という仕組みをやめて自主的な取り組みにしようという提案をし、これを「ポスト京都」のフレームとして発表したらしい。このため、NGOらから、「本日の化石賞」をもらうことになったとのこと。ニュースでなんとなく耳にしていたが、ようやく意味が分かった。

日本の官僚が作成した答弁書は、よくある「ポスト」を使ったのだろうが、EUでは、京都議定書で約束している以降の枠組みについて、「京都議定書第二約束期間」という言葉を使っているのに対し、日本が「ポスト京都」という言葉を使い、各国別削減目標を定めるという折角漕ぎ付けた枠組みをなきものにしていると受け取られてしまったようだ。

折角「京都」という名前を得た知恵の枠組みを当の日本が潰しに掛かるというのは、おろかであろうに、ブッシュ政権に尻尾を振るのも、国際センスがないといわざるをえないだろう。→内閣府では、「地球温暖化問題に関する懇談会」を開催しはじめた。ここにいろいろな資料がある。

この「通信」59号には、「道路特定財源暫定税率問題に温暖化防止の視点を!」という意見も掲載されている。暫定税率25%が無くなり、ガソリンの値段が下るということは、温暖化防止の観点からはマイナスであり、道路特定財源を一般財源化することには賛成だが、25%を無くすのではなく、温暖化防止のための税金にシフトするべきではないかと言っている(自動車だけでなく、炭素税としてほかにも掛けるべきとしている)。

なるほどと思う。10チャンネルはアンチ政府的な番組を作っているが、道路特定財源が違う使い方をしているなどに時間を割いているが、こうした観点での報道はないようだ。検討すべき良い観点だと思う。

受賞した本は、最初単なる事例集かと思ったが、パラパラと見た限り、分析、整理され地域の環境政策を考えるうえで参考になりそうである。これも分担ではなかったので、読んでいないため、読みたいと思ったら、図書館に蔵書があり貸し出し中とのことで、予約を入れておいた。

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