マイケルハートと夕張
読売新聞北海道支社夕張支局『限界自治夕張検証-女性記者が追った600日』とマイケルハート『マルチチュード』上下を読んだ感想メモ
夕張は、女性記者が丹念に追ったというので期待したのだが、すでに知っていることが多かった。中田行政の取り巻きで上手い汁を吸った人々、ヘンと思いながら放っておき、自らも権利意識の強い市民、職員、議員、組合などにもう少し突っ込んで取材して欲しかった気がする。
南部地域のコミュニティセンターを市民が自主運営するなどの動きの情報は良かったのだが、うっかり、メモをする前に図書館に返却してしまった。危機に陥って、自治が始まるというのは、残念だけれど、良いことなのだろう。こうした草の根自治を担っている人に必要以上の負担をかけず、継続させ、発展させるためには、どうしたらよいのだろうか。
この本から得た情報で私にとってメリットがあったのは、夕張国際映画祭も、市民のものと言うより、東京から来る人たちに向けていたみたいで、よくある田舎のイベントであったらしいことが確認できた。東京や海外から来る人たちは、顎足付きで、田舎のあったかさや美味しいものを食べたり、仲間の映画人と久しぶりに会える機会が得られて喜ぶのだが、こうしたことは、私も昔美味しい思いをしたことは幾度もあり、田舎の文化人(でいたい人)のやり方だ。
加森観光は、夕張で上手く行くのだろうか。加森観光は、どのように再建でメリットを得ているのだろうか。普通なら何億円の設備を安く買えるわけで、あとは、集客ノウハウと効率的な運営で上手くやれるということなのだろうか。
マイケルハートの「帝国」と「マルチチュード」は、今ひとつ良く分からない(一般人のためというよりも、政治学者が理論として国のあり方を論じているわけで、国家とは何か、民主主義とな何か、代表制は意味があるのか・・といった議論を本質的なところから問い直すべき時期であるといっていることは理解できる)。
国家が意味をなさなくなっていることは理解できる。残念ながら戦争が常態である世界(戦時だから制約された民主主義の危機)に入ったことも分かる。国家が意味をなさなくなった世界がどうして「無政府状態」ではなく「帝国」なのだろう。
彼が帝国に対するマルチチュードという概念を提供している。これは、それぞれ独自に多様な活動をするのだが、連携している(ネットワーク化)という。脳だけが考えているのではなく「腸が考える」という生命体をイメージしているようだ。
そういう流れでは、各地の自治組織、NPOのような任意組織がそれぞれ多様に判断して動き、必要に応じて連携し、地球全体(公)として上手く機能するという(指揮者のいないオーケストラ)のは、イメージとしては分かる。
私が地方分権ではなく、それぞれの自治の集合体としての地域のイメージと重なる。「地域」自治だけでなく、子どもを守るための活動、動物の保護活動、環境活動などなど空間や領域が異なる多様な活動が多層的に日本という空間を覆う。
きれいな絵としては可能だが、過激派、突出した人々、根深い歴史的宗教対立や民族紛争などをどう処理し、両者満足のいくように仕切っていくのか、これが政治学者にとっては重要なことなのだろう。江戸時代の水利をめぐる争いをどう自治的に解決しあったか・・おそらくこうした知恵は、イスラムなどにもあったはずで、こうしたルールの検証が必要かもしれない。
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