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April 10, 2009

松江公民館など

池田さんの資料からの事例紹介で、先の沖代すずめの家も公民館活用から始まっていることもあり、次に公民館活動で紹介されている事例をみておこう。池田資料では、松江と室戸が紹介されている。

まず、松江。ネット検索した結果の情報によると;

松江市では、2001年から21の公民館を拠点として、地区社会福祉協議会による「21地区地域福祉活動計画」の策定に取り組み、574の近隣小地域活動を基盤に、地区住民、福祉・教育関係者等が、自らの意思・知恵・熱意を持ち寄って計画を策定し、住民主体による地域福祉実践が行われているとのこと。

市全体では、2004年に策定された「まつえ福祉未来21プラン」で、市内を5ブロックに設定し、地域福祉ステーション(地域包括支援センター)を拠点に、「みんなでやらこい福祉まちづくり」を合言葉に、地域の特徴を活かしたコミュニティソーシャルワーク実践をしているとのこと。

松江市は、2005年に合併し、人口約20万人となった。合併後の新しいまちづくりにあたっては、地域の拠点としての公民館の役割が一層重要であるとしている。それまでは、公設自主運営と直営が混在していたが、公設自主運営方式に一本化された。

新市を5ブロックに編成し、ブロック内での情報の共有化、事業の連携を図るため、それぞれのブロックに「公民館地域活動コーディネーター」を配置している。

しかし、HPを見る限りでは、よくある生涯学習の講座の紹介くらいしかみあたらない。ちなみに、「竹矢公民館」のHPをみると、地球温暖化についての講演会、子育てサークル、防災訓練の紹介(3月分)がある程度だ。

しかし、ネット検索してみると、松江市では、行政、社会福祉協議会が住民参加のもとで、地域福祉計画をつくりあげたとのことで、その過程を書いた本が出版されているらしい(上野谷加代子・杉崎千洋・松端克文編著『松江市の地域福祉計画-住民の主体形成とコミュニティソーシャルワークの展開』ミネルヴァ書房、2006年)。

この上野谷さんは、同志社大学の教授で、計画のとりまとめをなさったようだ。「地域福祉における学際連携」というシンポジウムでの先生の資料があり、松江を例にしている。ここで言っている「学際連携」というのは、産学連携ではなく、社会福祉士とケアマネージャー、保健師、民生委員、家族、自治会長、ボランティアなどのことのようだ。

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(以下の本の紹介等は、松江市に親族が住まわれている方のブログから抜書きしました。)

松江市では、戦後早いうちから小学校区に公民館が設置されていた。しかし、昭和39-46年に財政再建準用団体になったことをきっかけに、行政による運営から自主運営に転換された。

この公民館は、社会教育や生涯学習に取り組むとともに、昭和30年代から地区社会福祉協議会の事務局も兼ねていた。しかし、昭和60年ごろまで、地域で福祉活動をすることにはつながらなかった。

ところが、85年以降、補助事業として「長寿社会対策地域推進事業」が実施され、これにより、市内の21地区すべてに福祉協力員が置かれるようになった。この福祉協力員を中心に要援護者の見守り活動や見にデイサービス、なごやか寄り合い事業などが活発に行われるようになったという。その結果、公民館に地域保健福祉推進職員が配置されることになり、公民館長が地区社協の役員を兼務することになり、社会教育と福祉の連携が進んだ。

民生委員の担当エリアは広いが、そこに数人の福祉協力員が互いに連絡しあって、高齢者、とくに一人暮らしの高齢者に気を配っている。福祉協力員は、旧市街地に1000人いるとのこと。

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(以下は、2006年10月に松江市で開催された第12回地域福祉実践セミナーの記録から紹介)

セミナーでは、ワークショップが開催され、それぞれ松江での多様な取り組みを代表的な地域について事例で取り上げられている。ワークショップ開催案内からでも、活動の様子がうかがえる。

1.「生涯学習との連携による住民主体の地域福祉実践」-法吉地区の福祉コミュニティ構想に向けた取り組みに学ぶ

・法吉地区では、市地域福祉計画・地域福祉活動計画にもとづくモデル地区の指定を受け、「住み慣れた地域でだれもが安全で安心して暮らせるまち」を目指して、地区社協、公民館、自治会、民生児童委員その他多くの関係者での協働による地域活動が展開されている。松江市は古くから公民館を中心に生涯学習が盛ん。住民主体の地域福祉活動を推進していくためには、住民の学習活動が大切。このワークショップ(WS)では、法吉地区の先駆的な活動に学ぶ。

2.「地域包括支援センターにおけるコミュニティソーシャルワークの展開」

・松江市では、2006年度より、公民館の地域ブロックごとに5ヶ所の地域包括支援センターを設置し、「まつえ福祉未来21プラン」に基づいた地域福祉ステーションの実現に向けて取り組んでいる。地域福祉ステーションでは、コミュニティソーシャルワークの実践拠点として、保健師、主任介護支援専門員、社会福祉士により、先駆的な取り組みが行われている。WSでは、これを事例とし、地域包括ケアシステムの構築に向けたモデル地域の取り組み、及びハイリスク者や困難事例への支援を通して、包括支援センターの機能を実現する実践的コミュニティソーシャルワークの展開について考える。

3.「商店街の活性化を通した高齢者・障害者にやさしいまちづくり」-天神地区商店街の取り組みから

・2006年4月、社会福祉法人桑友は、松江市から徒歩10分の天神に自然食レストラン「まめや」(まるベリー松江)をオープン。精神障害者と市民が触れ合う場でもある。「まめや」には3つのこだわりがある。1つは、精神障害者の「働きたいんだ」へのこだわり、障害者でもこれだけのことが出来ることを証明しようとする。2つめは、食へのこだわり、旬のもの、地元の食材など野菜を中心とした自然食へのこだわり。3つめは、地域へのこだわり。

・これだけでは、良く分からないので、ネット検索したら、松江天神商店街が東京巣鴨のとげぬき地蔵通りをイメージして、活性化を図っている記事があった。お年寄りが出かけるには、買物よりもお参りが口実になりやすいというので、もともと白潟天満宮の門前町であったことから、ここに認知症対策の神様「おかげ天神」を建立、毎月25日に天神市を開催、歩行者天国とし、高齢者向けのワゴンセールやフリーマーケットを行っている。

空き店舗を2軒改装してふれあいプラザ「まめな館」、交流館「いっぷく亭」を松江市、社会福祉協議会と連携して設置。老人ボランティアがいつも必ず一人は留守番をしていて、一人で来ても、いつでも話し相手や湯茶の接待ができる体制になっている。「いっぷく亭」の2階をマッサージ協会と協力して「マッサージルーム」を作るなど充実が図られている。

当初「お年寄りにやさしい」まちづくりをコンセプトにしたが、結果として「ひとにやさしい」まちづくりとなり、親子連れの来場、高齢者の生きがいづくりへの貢献と世代を超えた交流の場となった。精神障害者の授産施設である「まるベリー松江」が郊外から移転し、05年4月にオープンしたとある。

4.「超高齢地域における住民主体の地域福祉実践を探る」-淞北台地区のフィールドワークをもとに

・1960年代後半に開発された一戸建て、県営住宅等が混在するこの地域は、高齢化率が非常に高い。自治会内に設置された「いきいきライフを推進する会」が中心となり、高齢者の自立支援活動に加え、新に病院等と連携した健康講座、留学生家族との交流会、子育てサロン開設の準備など、住民主体の地域福祉実践に取り組んでいる。この地区を歩くなどして、5年後を見据えた超高齢地域における住民主体の地域福祉実践のあり方を住民とともに探る。

5.「自立生活に不安を抱える市民を支えるソーシャルサポートネットワークの構築」

・松江市は、地域福祉権利擁護事業の利用者数が全国でトップレベル、成年後見等の組織もあり、福祉オンブズ制度も設けられている。また、手をつなぐ育成会が安全ネットについて警察との連携を進めている。高齢者、知的障害者、精神障害者等判断能力が十分でない人たちは、サービス利用や金銭管理等日常生活において多くの不安や課題を抱えている。近年の高齢者や障害者の犯罪被害の多発、災害時における対応も課題である。このような人たちを支える地域のサポート体制について、松江市の事例などをもとに考える。

6.「特別な支援が必要な子供たちへの総合的な支援と福祉教育の充実」

・松江市では、「特別な支援が必要な子どもたちの総合支援事業-ふるさとあったかスクラム事業」を平成15年度から3年間実施した。この事業は、松江市教育委員会が島根県からモデル指定を受けて行った事業であるが、松江市においては、8地区(小学校区単位)で公民館、地区社協、保護者や地域のボランティア等によって自主的な活動へと展開してきている。

全国的にも、「特別支援教育」の導入により、個別教育支援計画作成や特別支援教育コーディネーターの配置による校内システム構築がこれからの課題となっている。松江市における「共に学ぶ」環境が全国的に広がりつつある中で、共に生きるための福祉教育の必要性が問われており、松江市の例から福祉と教育の連携のあり方などについて考える。

7.「一人ひとりへのホスピタリティを大切に 国際文化観光都市としてのまちづくり」-市民・ボランティア・NPO・企業など市民活動の協働

松江市は、地域特有の優れた観光資源を積極的に活用したホスピタリティあふれる観光都市づくりを市民とともに進めている。「地域の繁栄なくして、企業の繁栄はなし」と地域福祉の推進を基本理念に取り組む「企業ボランティア松江ネットワーク会議」には、80を超える会社が参加している。

国際文化観光都市として発展しようと、地域住民を巻き込みながら、市民・ボランティア・NPO・企業が協働し、「まちおこし」と「人づくり」を行い、元気な「まちづくり」に取り組んでいる。

訪問される外国人も障害者も市民を含め誰もが安心して過ごせるまちになるよう、ひとり一人のホスピタリティを大切に取り組む市民活動の協働実践について学ぶ。

8.「福祉でまちづくりを展望した地域福祉計画と地域福祉活動計画の策定と進行管理」

・松江市では、2001年度に小学校区単位の地区地域福祉活動計画を住民主体で作成し、04年度に市行政と市社協の協働により、地域福祉計画及び地域福祉活動計画を一体的に作成し、目下実践展開中。

その計画の特色は、①住民主体と公私協働の計画策定方式、②課題のきめ細かい把握に立脚した策定方法、③地区計画を含む2層構造の計画構成、④重層的なエリア設定による包括的地域ケア体制を中心とする計画体系など。松江市から、具体的に策定と進行管理について学ぶ。

このセミナーについては、秋田県の方の報告もネットにありましたが、リンクが上手くいかないので、ダウンロードしたものを貼り付けておきます「matsuereport.pdf」をダウンロード 。この報告された方は、上記ワークショップは8に参加したようです。

ワークショップだけでなく、松江社協のこれまでの取り組みや他地域参加者(京都、米子、琴平)の報告もあります。

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