« 新資本主義再々考 | Main | コミュニティとは »

February 22, 2010

コミュニティを問い直す

広井良典『コミュニティを問い直す-つながり・都市・日本社会の未来』ちくま新書800、2009年を読んだ。

若い学者らしく、現在の日本が抱える問題を大局的に考察した好著である。

私も、地域イノベーションを考えながら、疑問に思っていたり、考えても途中で分からなくなっていたことを、さすがに、きちんと調べて彼なりの答えを出している。

現実からスタートすると、そうは言っても現状を打破するのはムリだろうと諦めて引き返したいたテーマについても、大所高所からあるべき論をちゃんと展開している。

今期の授業で、バックワードマッピングというのを取り入れたのだけれど、教えていながら、私の身についていなかったことが分かる。

バックワードマッピングというのは、「望ましい姿」を描き、そこにたどり着くまでにやらなければならないことを書き出していく手法である。

現状から未来を予測するのは、天気予報と同じフォワードマッピングという。戦後の私達は、高度経済成長など、今の現状から、将来を(楽観的に)見通しする癖がついている。

そうではなく、「望ましい姿」にするために、何が問題で、それをどう解決しなければならないかを考えなければならない。

小さい話をすると、私が住んでいる西東京市の旧田無地区を住みやすい町にしようと考えただけで、私の頭は止まってしまう。

1.せっかくの歴史ある青梅街道沿いの商店街が衰退している。

もともとは青梅街道沿いの宿場町で栄えたのだが、青梅街道が現状では狭すぎて、車が通ると歩くのが怖く、商店街を楽しく買物する気分になれない。

駅が昔より少し移動し、駅前再開発が行われ、もともとの駅前の商店が入っているアスタビルと西友が入っているビルがメインになり、商店街自体衰退してしまっている。商店街の店主の多くも、もう商売はやる気がなく、貸しビルにしたり、マンションにしようと考えている。

一方で、石川島播磨や三共などの工場跡地に、マンションとスーパーが出来て、分散した町になっている。

2.道路が狭く、交通量が多いので、車椅子や乳母車などで安心して移動しずらい。

青梅街道も狭いがそれ以外の道路の多くも農道のようなもので入り組んでおり、狭い上に交通量が多い。

歩道がないところが多いが、あっても切れ切れだし、狭いので、車椅子や乳母車などえ安心して移動しずらい。

95歳の母が喜ぶ車椅子での散歩も大変な緊張のなかでやっている。杖をついたり、買物カートに頼りながら歩く人も多い。それでも、駅にエレベーターが付いたこともあり、昔より車椅子などで出かける人が増えているように思う。そうなると、車椅子同志が狭くてでこぼこしている歩道ですれ違うのは、難しいだろうという問題も出てくるだろう。

3.緑が失われている。

もともとは、武蔵野の農村地帯(畑が主流)であり、防風林など農家所有の林が沢山あったのだが、農家の世代が代ると相続税の問題で土地が売られ、宅地開発され、どんどん緑が減っている。

(東大農場が守られたようだが、実は、この農場の森は、実験用なのでさまざまな植物が植えられており、本来のこの土地の植生とは違うのではないかと思う。)

小金井公園や水道道路(サイクリングロード)が維持されていたり、市営の公園がないわけではないが郊外の林を守ることと相続税の問題をどう考えたらよいのだろうか分からない。

車を気にせず、ゆっくりと散歩ができる。緑が多い、落ち着いた街並み。昔は町のそこかしこから富士山が見えたのに、今は、なかなか見えなくなってしまったが、町の視線として富士山を見えるようにする。アスタビル内だけでなく、活気ある回遊できる商店街の復活はできないものだろうか。

おそらく、市の都市計画でも、せいぜい道路を拡張するなどを時間をかけてやることぐらいで、現状の手直しぐらいしかやれそうにない。

社会主義でもないのだから、個々の人がやっと手に入れた土地や家を都市計画にそって撤去するわけにもいかないだろうし、青梅街道を交通規制して回遊できる商店街にするのも、当事者がその気がなさそうだし・・・などと考えて、思考を止めていた。

ところが広井さんは、都市計画と福祉政策を一体的に考えるなど、あるべき姿から論じている。単なる希望やべき論ではなく、諸外国や歴史を俯瞰し、説得性のある説明をしている。広井さんが述べていること全てに納得したわけではなく、個別にはもっと考えなければならない問題もあるが、ともかく、論じる「視点」のようなものを得られた。

|

« 新資本主義再々考 | Main | コミュニティとは »

Comments

Since the admin of this web site is working, no question very rapidly it will be famous, due to its feature contents.

Posted by: Homeschooling | December 17, 2014 at 01:35 PM

Excellent web site you have here.. It's hard to find good quality writing like yours nowadays. I honestly appreciate individuals like you! Take care!!

Posted by: Match.Com | April 06, 2015 at 01:04 PM

I would like to thank you for the efforts you have put in writing this website. I am hoping to view the same high-grade blog posts by you in the future as well. In truth, your creative writing abilities has motivated me to get my own site now ;)

Posted by: removalists sydney | June 16, 2015 at 12:55 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 新資本主義再々考 | Main | コミュニティとは »