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April 28, 2010

社会企業家の事業分類とBOP狙いのビジネスチャンス

FAST COMPANYとモニターグループが実施した社会企業家賞(04-08年)を受けた組織は、67ある。分野別にみてみると、

・金融・コンサル・NPO支援 22

・人権 3

・農業・モノ 6

・教育 18

・環境 2

・雇用・労働 4

・ホームレス・貧困・住宅 8

・医療・健康 3

・フェアトレード 1

のようになっている。

もちろん、全体的に貧困(アメリカの、途上国の)というが背景にある。ホームレス・貧困・住宅のなかには、雇用も含まれている。

モノというのは、メガネを提供するというもので、前記事に書いたように、単に提供するだけでなく、それを販売するフランチャイジーを育てて雇用を生み出してもいるといった事例である。農業に必要な人力の機械の開発・提供などもある。

実は、事例研究をして、地域イノベーションにも使えるヒントはないものかと思ったのだが、前記事にも書いたように、圧倒的に多いのは、実際に現地で汗をかくというよりも、汗をかく人に資金を提供したり、コンサルをしたり、そういう組織を支援するなど、ある意味、第三次産業的な事例が多い。

金融・コンサルでは、特定の部門(教育とか地域コミュニティ再生とか、女性向けなど)を対象にしているものもある。

この金融・コンサルがサービスを提供しているのは、現地のマイクロファイナンスなどを提供しているNGO・NPOで、そのNGO・NPOが提供している金融サービスやコンサルを受けて、実際に現地で現地の人が汗をかいている。

その中には、先に農業・モノであげたように、メガネの販売であったり、人力利用の機械の販売であったりするというように、現地ならではの需要に対応したビジネスが生まれているという図式だ。

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Scojoのメガネは老眼鏡が中心らしい。生産コスト、物流コストが1ドルで、これを小売として3ドルで打っているという。

日本では、100円ショップで老眼鏡を売っている。日本のように物流コストが高い場所でも、小売価格が105円(税込み)なのだから、生産コストはもっと安いはずで、ダイソーがScojoのような社会ビジネスを展開しても良いはずだ。

うんと儲けなくても(あるいは儲かる)、ビジネスとして回るということなら可能だろう。ただし、おそらく生産は、日本ではなく、中国などに違いない。

ダノンがグラミン銀行と合弁で、バングラディッシュにヨーグルト工場を建て、現地ではフランチャイジーがマイクロビジネスとして販売している。バングラ版のヤクルトおばさんだ。

これも、ヤクルトがやれないはずはない。ヤクルトのHPを見ると、社会貢献活動を行っており、ヤクルトレディが一人暮らしの高齢者を訪問声かけしたり、防犯活動をしたり、乳がん撲滅のピンクリボンに協賛している。これを世界に展開可能なはずだ。

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本当は、日本の製造業の技術で、BOP市場を狙えるような商品開発ができないかと思っているのだが、途上国の粗い土壌で人力で動く機械などを開発するのは、むしろ難しいだろうか。

北海道のK社は、なんでも高価格な商品をソフト開発で低価格化するという戦略をとっている。しかし、電子機器化してしまうと途上国のように熱かったり、砂埃が多いところではエラーになってしまう可能性もある。同社の安い体温計を途上国に販売し、世界1の生産者になるというのは面白いとは思うのだけど。ノキアは、携帯電話でこうした環境で使える商品開発をしたようだが・・。

昭和の商品(洗濯板とか蚊取り線香とかリヤカーとか水枕とか・・)こういうものでBOP市場を狙うのは難しいのだろうか。仮に日本で開発し、工場は安くできる中国(望ましいのは現地だが)で生産するとしても、ノウハウを持つ日本の中小企業が知らない間にBOPを狙って、世界一の生産者になっているという図は描けないものだろうか。

Acumen Fundが投資した先で、川の水などを安全な飲み水に浄化するフィルターストローを開発し、衛生レベルの向上に貢献したという事例がある。こんなのは、東レなどが得意とするところだ。日本ではODAなどで大規模な井戸堀や海水浄化などをやっているはずだが、身近で扱い勝手がよいストローとは、なかなか発想しずらい。でも、こうしたことは考えられるはずだ。

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