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April 27, 2010

手づくりの森:板橋区サンシティ

『CHIKAI』の続き。

板橋区にある世帯数1900のサンシティでは、1977年の分譲開始時「武蔵野の雑木林を復元しよう」と敷地内に植えられた数万本の木が30年の差異下司をかけて大きく成長した。

この緑を保全するために結成された住民組織「サンシティグリーンボランティア(SGV)」が木の剪定、下草の処理などを担っている。

15年ほど前、植えられた木が密生し、低層階へ日照障害を及ぼすようになった。被害を防ぐための剪定等には、当時のお金で800万円が必要。しかし、費用を住民に負担させることは難しく、管理組合理事会では、役員自らのボランティアで対応、その経験を土台に1997年にSGVが正式に発足した。

総勢90人で、毎週末には20人程度が参加。できる範囲のことは自分たちで行い、危険を伴う作業は、業者に任せている。最近では、ほだ木を使ってのしいたけ栽培や、野草園の造成、炭焼きなども手がける。

運営には難問が山積み。

1.植栽管理に関する住民の合意形成。低層階と高層階とでは意見が対立し、管理組合を通しての調整が難航することも。

2.後継者不足。メンバーの多くは70歳以上。

3.ボランティアとはいえ、活動費の大半が管理組合費から捻出されている以上、予算内で全住民がある程度納得できる緑地保全を実現するという使命感がある。

4.数年前から樹木の世代交代も進めている。全体の景観を守りながら森を再生させるため、対象となる敷地を各100から200㎡ほどに22の区画に分け、15年かけて少しづつ伐採、植樹、萌芽更新をしている。

マスコミでは理想郷というように簡単に言うが、上記のように、莫大な費用と手間がかかっている。

緑の多いマンションは、価格が30年前の分譲価格をほぼ維持している(資産効果)。また、ここが気に入って、嫁にいった娘や親戚などが空き室を求めて入居する傾向が多い。

緑のある暮らしがここで暮らした人にとって不可欠になっている。農村共同体では、仕事、生活などそこで暮らすうえで、共同体の一員にることが不可欠であったが、緑のある暮らしが、ここの住民にとって不可欠となっており、アイデンティティとなっている。また、維持管理を巡って、対立も含みながら住民全体でコミュニケーションをとるきっかけとなり、ボランティアで維持管理するための交流も生まれている。

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