« 地域づくり活動総合マトリックス | Main | 市民参加の現状 »

May 21, 2010

地域イノベーションと地域づくり(藤沢町の事例を参考に)

前の記事で、「地域づくり」についての整理を紹介した。

私は、「地域イノベーション」という言葉を使っており、気持ちとしてはこれまでの延長線上の「地域づくり」ではなく、システム変化を伴う「イノベーション」を扱いたいと思っている。

以前書いたように「地域イノベーション」の根本は、「真の住民自治」(自律)であるとしたい。

前の紹介記事で述べられているように、現状、「住民自治」という言葉だけが先行していて、住民自治をするだけの「キャパシティビルディング」(能力開発)が行われていないのに、急にやれと言われても、それは無理というものだ。

前の紹介記事の次の次の節(「まちづくり」市民組織の活動と人材の育成の課題)では、市民参加による活動を恒常的に政策形成プロセスに組み込むことによって活動の活性化を図る必要があるものの、実態は、行政と市民の間では期待することに微妙な違いがあるとしている。すなわち、

(1)市民側は、参加を行政評価する機会と捉え、行政に要求する機会と捉える傾向がある。

(2)行政側は、ボランティアや協業という名を借りて市民に行政行動を押し付ける傾向がみられる。

「真の住民自治」を実現するための必要十分条件については、岩手県藤沢町の事例を丹念に分析すると見えてくるのではないかと思われる。この事例については、東京経済大学の大本圭野教授の力作があるので、まずは、これを分析しようと思う。

「真の住民自治」にとって、田中氏のマトリックスはどのように適用されるのだろうか。

藤沢町では、過疎化・高齢化など地域の危機に直面し、ここに住むしかないなら、自分たちでこの町を良くしていくしかないと行政(助役→町長)が働きかけ、地区ごとに要望を書き出させ、無い袖は振れないからと、要望の優先順位を付けさせ、道路が欲しいなら、住民が地権者と話し合い、土地の手当てをしたなら行政が工事をする(お金を負担する)など、住民がやることと行政がやることの分担をしてまちづくりをして行った。

まず、自分たちがやるしかないという意識改革をし、地域のビジョンを描かせ、それを実現するための自助と行政の仕事とを明確にし、自助があるところには、結果を出して、自分たちがやれば町をよくすることができるという実感・達成感を与えていった。

その過程でやられたことは、道路づくりであったり、外灯の設置であったり、花を植える景観づくりであったり、公民館づくりであったり、工場誘致のための土地提供であったりしており、田中氏のマトリックスで言うところの、目標(環境づくりやしごとづくり)であり、地区ごとのビジョンづくりによって(手段)、結果としてコミュニティが作られた。→私の分類というか、藤沢町の事例でみる限りは、コミュニティづくりは、目標ではなく、最終目的(地域イノベーション)であり、その手段としてまずはビジョンづくりが行われた。

ビジョンで示されたのはいわゆる「地域づくり」=住みやすく・活気ある地域づくりであり、それが具体的には、環境づくり、しごとづくり、あるいは祭りや体育祭など一緒にやると楽しい行事づくりであった。田中氏は、祭りなどのイベントは、手段であって目標ではないとしているが、共同幻想づくりには必要なこと(田中氏の整理では目標)なのではないだろうか。

田中氏が手段としている項目は、藤沢町の事例では、ビジョンで示されたことを実現するにあたって、テーマの必要に応じて、この項目(手段)が採られた。

①行政サービスの見直しは、最終目的である「真の住民自治」を実現するためには、全てを成し遂げるにあたって不可欠であった。当初、行政マンが各地区の担当になったが、自分の得意分野以外のことにも答えなければならなくなり、行政マンが全ての行政について勉強しなければならなかった。財政が逼迫していることを示すためにも、情報公開も不可欠であった。

②市民力活用は、これが最終目的であり、最初からこれが意識された。

③民間活力活用については、若い人が流出せずに止まってもらうために、工場誘致を行った。しごとづくりという面では、もう一つ、農業で生きていくために、町主導で(国の予算を得るなどして)大規模な灌漑工事を行ったほか、有機農業に取り組み、ブランド化などを行っている(この分野でどの程度民間を活用しているか不明)。

④産官学連携については、たとえば、病院を建設するにあたっては、自治医大などと連携するとか、農業振興のために主体的にダム建設をするにあたっては、国、県などと連携し、おそらく学とも連携したと思われる。

人材については、地区との懇談のなかで、行政マンは勉強せざるをえなくなり、バスを購入して、住民も含め、先進的な取り組みをしている地域を訪問して学んだ、中途採用を行い、企業誘致などに適した人材を配置した。→ただし、残念ながら、強力なリーダーである元町長以降に優れた人材が役場、あるいは地域の民間などに現れたという話は聞こえてこない(起業人材は不足か?)。

藤沢町の事例では、実質的に補完性の原理が取られている。地区住民で出来ることは住民で、町がやらなければならないことは町で。町でも出来ないことは、県や国に働きかけて実現してきた。また、何か施策を実施する場合には、アンケート調査を実施したり、地区懇談会などで意見聴取を行ってきた。婦人議会などもある?

人口1万人弱の藤沢町なのでしかたがないのかもしれないが、基本は、全て強力な元町長と行政主導により「真の住民自治」が形成されている。できることならば、こうしたなかから、住民が主体となった社会的企業などが生まれてくれると嬉しいのだけれど。たとえば、有機農産物を販売する企業とか、高齢者を送迎するバス・タクシー会社など。

町営の第三セクターで運営いた直売所や宿泊施設などは、現在持ち上がっている一関市との合併にあたって、これらを整理する必要が生まれ、民営化されている。

|

« 地域づくり活動総合マトリックス | Main | 市民参加の現状 »

Comments

By simply waiting a-day or two longer, it is possible to save enough cash to buy a lot more! This form of purchasing can save buyers tons of cash. Visit A site it doesn't require individual information.

Posted by: http://www.herandkingscounty.com/content/onlineshopping-computer-accessories-are-simple-yet-secure | March 26, 2014 at 08:47 PM

Interact with those that discuss your blog. There are communications methods since didn't exist prior to the Web, such as for example blogs. When it comes to blogging do not forget SEO work.

Posted by: megamusics.com | March 27, 2014 at 07:51 PM

Publish articles in advance that you can use when you are busy or perhaps can not come up with a brand new topic. Make certain that you are getting adequate care of yourself. While feedback is given in your blog, react to it.

Posted by: Manuela | March 27, 2014 at 11:22 PM

This is among the greatest sports activities for children. There have been a number of exceptions that mustered the reputation to buck the statis quo philosophy of video-gaming. Particularly to the targets of the female gamer.

Posted by: Andy | March 28, 2014 at 01:42 PM

This will make sure that they have the correct games regarding their age. It demonstrated not totally all simple money-ins and they could be great. This Really Is where in fact the video sees.

Posted by: Bradly | March 31, 2014 at 12:59 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 地域づくり活動総合マトリックス | Main | 市民参加の現状 »