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2011年2月26日 (土)

東伏見コミセン2

●子供たちもちゃんと選んでいる

東伏見コミセンの事務室は、子供たちが自由に出入りしている。

「ちょっと荷物置かせて」とやってくる子。大した用事もなさそうだが、嶋田さんに声を掛けてもらいたくって立ち寄る子。嶋田さんは、その都度「アンプ自分で買えよ、お年玉残ってるんだろ」とか、「風邪ひくなよ」とか、何かしら声を掛けている。

嶋田さんによると、家にもほっとできる居場所がないと思っている子は多いという。自分が本当に困った時に、親が自分のために何かやってくれるかどうか不信感を持っている。

子供たちは、結構嗅覚が鋭い。いざというと逃げる大人か、自分に向き合ってとことんつきあってくれる大人かちゃんと選別している。嶋田さんは、子供たちからちゃんと信頼されているのだろう。

●地域で学校を支える

嶋田さんは、子供たちに関することにさまざま係ってきた、その結果、さらに子供関係の仕事が増えてしまうことになっているようだ。

西東京市には、「青少年育成会」というのが地区ごとにあって、地域で子供たちの行事をしたり、通学路の安全点検防犯・非行防止などを行っている。嶋田さんは、保谷第二小学校がある新町柳沢地区の育成会の会長もしている。

また、西東京市では、「地域教育協力者活用事業」というのもやっている。これは、たとえば倶楽部活動でお茶やお琴の先生に来てもらうほか、学習指導補助や行事の補助をするなど、学校の事情に即してこの制度が活用されている。

嶋田さんは、保谷第二小学校で、時には、学習指導の補助をしたり、学校行事の手伝いをするほか、生徒の相談や、時には先生方の相談にも乗っているらしい。

新任の先生は、自分自身がまだ社会人1年生なのに、急に生徒を受け持つという責任を負うだけでなく、親という大人と向き合わなければならない。私だったらパニックに陥いってしまうだろう。そんな時、経験豊富な嶋田さんは、頼りになるはずだ。

嶋田さんのような人は、「教育は学校に任せればよい」と考える世間の風潮から見れば、「お節介」なのだろう。でも、学校という純粋培養のような閉鎖社会に風穴を開け、実社会の空気を入れ込むバルブのような役割を果たしている。

●4年生が小動物の世話をする保谷第二小学校

嶋田さんは、全国学校飼育動物研究会運営委員もやっている。

昔は、小学校には、必ずうさぎとか小動物が居るのが当たりまえで、特になんとも思っていなかったが、実際に小動物を飼うとなると、いろいろな問題があるということを初めて知った。

たとえば、夏休みや冬休みは、どうするのか。エサやりの問題だけでなく、フンの掃除の問題もある。病気になった時には、どうするかの問題もある。

西東京市の学校では、地元の獣医師会と連携して、定期的に健診してもらったり、病気になった時に駆けつけられるようになっているという。この動きは、他地区より早かったようだ。

私の子供の頃は、どうだったのだろう。確か、学校には、小使いさんと呼ばれる住み込みの家族が居て、この人たちが見てくれていたのかもしれない。

嶋田さんが具体的にどう係ったかは、聞き損じたのだが、保谷第二小学校では、4年生が親子で、責任を持って動物を飼うことになっていて、係りになると、冬休みとか夏休みの長い休日の間でも、交替でエサやりや掃除をすることになっているという。三学期末ともなると、4年生から3年生に「飼育引き継ぎ集会」が開かれている。

小動物の飼育では、保谷第二小学校が優れているのか、西東京市での他の学校ではどうなのかについての情報は、まだ得られていない。

●子育てしやすいまちづくり

嶋田さんは、東伏見コミセンの周りには、保谷柳沢児童館もあるし、武蔵野公園もあるし、社会福祉協議会が伏見通り「街なかサロンにこにこ」もある。まもなく三世代が目的なく集まったり、交流する仙人の家もできる。

子供も大人も、その日の天気や気分、時間帯に合わせて、居場所を選択できる。

子育てしている親が楽しく、安心して子育てできれば、また子供を産もうという気になる。

この地域を子育てがしやすい場所、子供たちが安心していられる場所にしたいと抱負を語る。

考えてみれば、私が住んでいる南町の付近には、公民館、図書館、体育館などもあるが、子供たちも、高齢者も、タムロできる居場所はない。

エネルギーを持て余している高齢者は、リビンやアスタに散歩がてら買い物に行き、アスタの2階でおしゃべりするくらいだ。

嶋田さんは、NPOになったので、他地域の指定管理者制度も受けてみようかと思うと言っている。自分がこれまで経験したり蓄積したノウハウを活かせられるなら、他地域にも使ってもらおうと思っているという。実際、武蔵野市の新しくできるコミセンの企画にも係っているようだ。

これは、なんだか、もったいない。

私が研究しているテーマでは、ノウハウを一般化し、「スケール・アウト」(他地域に応用していくことにより、イノベーションを起こす)は、重要なポイントなのだけれど。

嶋田さんのノウハウを、他地域に広めるのはそれはそれとして、もっと西東京市のなかで活かして欲しいものだ。

【宿題】

1.西東京市は、小中学校を地域で運営していく「コミュニティ・スクール」には、まだ取り組んでいない。三鷹市や世田谷区での取り組みが進んでいる。島根県海士町では、「郷土を愛し、問題発見から解決方策を見出す人財」を作るとして、高校づくりを始めている。このように、人口流出が著しく、切羽詰まった地域では、どういう子供たちを育てたいかという明確なイメージを打ち出せるが、西東京市のようなまちで、どういう教育をして欲しいというだけの心構えが出来るものだろうか。三鷹市や世田谷区では、本当にやれているのだろうか。文科省の施策は、方向としては良いのだが、地域の受け皿ができていないと有意義なものになりえない。これを検討するのは、これからの課題。

2.「居場所」については、いくつかの論文を見つけた。居場所とは何かの整理、子供だけでなく、定年退職した人、高齢者、子育て中の親、介護中の子供などなどに適用できると思っている。単なる居場所ではなく、必要とされると認識できる場所とすると、コミュニティビジネスなどともかかわってくる。これについては、三鷹ブログ村での情報もある。この検討も、宿題。

高齢者の居場所については、レポートをまとめた(こちらのブログ参照)。

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コメント

とても興味深く読ませてもらいました。

スケールアウトは、とても重要なことですよね。
西東京市のなかで活かしたいところですよね。

コミュニティスクールについては、
杉並区和田の「NPO法人東京コミュニティスクール」に、注目しています。
http://tokyocs.org/

NPO法人東京コミュニティスクールやオンリーワンクルーのお話などは、そのうち、よく教えて下さい。東伏見コミセン2で取り上げようとしたのは、文科省が進めている、普通の公立学校を教育委員会ではなく、地域が運営するという方式です。http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/index.htm

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