1.第二期は二本立て
5月はお休みして、第二期を6月7月に開催した。
第一期の卒業生には、前記事のように、自分なりに動ける段階になった人と、もう少し事業の中身を詰めないことには、動けない人とが出てきた。
そこで、前者については、必要に応じて支援することとし、後者については、第二期の事例として中身を詰めることにした。これに加えて、新たな受講生も募集。初日には、6名くらいが集まったが、結果として、最後まで残り、自分なりの「あったらいいな」を発表してくれたのは3名に留まってしまった。
本当は、第一期の事業化と新規受講生への講座は別にしたいところだが、主宰者やオブザーバーもそう時間を作れないため、一緒にしたため、両方にとって中途半端になってしまったかもしれない。
第一期は、試行錯誤的に、自在に皆が発言し、講座内容がどんどん進化していったのに比べると、第二期には、第一期の事業化に力を入れたため、自由度というか創発的な部分が少なく、新規受講生にとって、ダイナミックな対話の面白さを感じさせることが弱かったかもしれない。
2.3人のゲスト講師を招へい
今回は、私は講義するという授業らしいことはせず、講座の最初は、第一期生の事業プランを具体的にどのように進めていくかについてのディスカッションが続いた。
講師のご都合もあり、第一日目に、WEB制作をされているウィズダム・デザインの白鳥友康さんに来て頂いた。
これは、いわゆる講義で、第一期の受講生の事業化にあたり、HPを作るのがよいのか、ブログでよいのか、Facebookが良いのか、それには、どのくらいお金がかかるものか等々、非常に普段聞きづらいことを教えて頂いた。
このほか、第一期と同様、①なぜ、この事業を始めたのか、②始めてみてどうだったのか、③現在どのような課題を抱えているかをお話頂き、その後、課題について、受講生が議論するという方式も2回実施した。
一人は、ハタモク(働く目的)の與良昌弘さん、もう一方は、海外にインターンシップ派遣をしているフロムジャパンの景谷峰雄さん。
3.第二期生の「あったらいいな」
(1)瑞穂町の魅力発見と未来を考える
瑞穂町から来てくれたDOさんは、奥様の実家のあるこの町に住むことになったが、東京都にもかかわらず、緑も多くとても良いところで大変気に入っているという。
昔は、交通の要衝で宿場町として栄えたようだが、現在は、五日市線の駅があるだけで、本数も少ないため、ちょっと不便であり、だからこそ、自然が残っているらしい。
でも、存在感がないし、若者が交通の良い地域に出て行ってしまうという課題がある。
彼は、この町の良さをアピールし、この町の未来を語れる仲間を増やしたいと考えている。まずは、現在の魅力を発見したり、朝市等をやることで住民や周辺の人たちに魅力を訴えていきたいと動き初めている。サークルMという自主的に動き出した仲間とも一緒に活動を始めているらしい。
彼のプレゼンは、もう立派に出来上がっており、講座では、単に、こうもやってみたらとか追加的な意見しか加えられなかった。彼が瑞穂町でやりたいことは、まさに、私たちも西東京市でやりたいことであり、それを一人で奮闘し始めたところがエライ。
この講座を受講してくれたのは、そういった同志としての匂いを感じてくれたからだろう。何か西東京市とも連携したら楽しいことが起きるかもしれない。
(2)ココカラたいそう
途中参加の小平市に住むSさんは、もともと演劇をやっていて、そこで、心と身体をリラックスさせることが健康に良いことや、そこから人に声を届けられる発声法などを身に着けた。
これまでは、演劇をやるために、アルバイトをしながら、続けてきたのだが、ここらで、人生を転換させ、身に着けた健康法や発声法を普及する仕事をメインの仕事にしたいと思うようになった。
それには、自分の持つ技の意味を人に知らしめなければならないし、自営業としてやっていくには、自分を売り込まなければならない。
彼は、演劇をやっていただけあって、人の演出はとっても上手いのだが、恥ずかしがり屋なようで自分を演出し、売り込むのは、苦手なようだ。
そこで、作成したHPの見た目や、説明の仕方が人に伝わるかどうかを我々に議論して欲しいということだった。彼のリラックス体操は、ちゃんとしているのだが、余りにも基本的なことなので、逆にうまく伝わりにくい。これをどう売り込んでいくかは、難しく、彼自身を売り込むしかないのかもしれない。
(3)安く高齢者が住める集合住宅
内装業をやってきたNAさんは、母の介護をしながら、毎週参加してくれた。
現在、有料老人ホームなどが提供されているが、年金が20万円以上ないと入居できない。法制度に合わせると、安全に等のしばりがあるために、どうしても高価格にならざるをえない。
これから、単身の高齢者が増えていくなかで、これ以下の年金で暮らしている人が安心して老後の生活を送れるようにするためには、もっと安価な集合住宅が必要であると考えている。
もちろん一戸建てに高齢者が住み、地域が見守るというやり方もあるだろうが、それでは、介護する側が参ってしまう。そのためには、共同で住んでもらう必要があるのではないかという。
一方で、現在、西東京市だけでも空き家が8000軒もあるという。
いちから建設していたのでは、採算に乗らない。良心的な大家が居て、既存資源の上手い組み合わせができれば、可能とのこと。
彼は、既に、非常に具体的なプランを持っており、それを実行する力もある。養成講座では、我々の意見を聴いたり、ネットワークを広げたり、お尻を叩いてもらうことを期待しているようだ。
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このように、第二期の新規受講生は、自身のなかに、かなり明確なプランを持ち、それを実行に移す気構えも持っている人たちだった。
おそらく、養成講座に集まる人たちは、皆イノベーターとしての匂いを持っており、互いに刺激し合い、くじけそうになるのを支えてもらうという仲間、場として意義があるのだろう。
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