東伏見

2011年6月 4日 (土)

ミチ・コーポレーション訪問

前に紹介した「象さんのうんちで出来ている紙」を製造販売している東伏見のミチ・コーポレーションを訪問してきました。

http://regional-innovation.cocolog-nifty.com/tanashi/2011/05/post-634d.html

社長の植田さんにお目にかかれました。

写真OKですと言われたのですが、急遽インスタントカメラを購入し、かつフラッシュをたくのを忘れたので、部屋の中の写真はボケていますが、雰囲気は伝わると思います。

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植田さんは、今回の震災ですぐに、奥様とお子さんを奥様の実家の福岡に避難させたそうです。

リスクを考えると、東京を拠点にするものの、何かあっても家族やスタッフが暮らせるように、日本の4ヶ所くらいに拠点をつくろうと、すでに動かれているようです。ソーラー発電にして、それを蓄電できるようにし、畑もやって、自給自足できるように、食糧は数日は持つようにとのこと。日本の新聞やテレビだけでは、情報が危ういので、海外のニュースなどをネットから得ているとのことでした。

リスク管理を凄く考えているのに驚きました!

高尾山の動物の写真家として有名な佐野高太郎さんは、原発反対運動で有名な山口県祝島に引っ越されたとか。

オーストラリアやアメリカなら3時間くらい移動するのは、普通のことなので、日本もそうなれば、東京の過密が解消される。そういう生活が格好良いというようになると良いのではないかと言われていました。

その話のなかで、函館に引っ越した人が、地元の青年会かなにかにイカでまちおこしする手助けを依頼されて「イカール星人」というキャラクターを作ったら、アニメにまでなって人気爆発とのことでした。会社は、こちら

私が北海道に居た頃には、そんな話題は聞かなかったので、すれ違いかもしれません。

確かに、原発については、今になって、いろいろな情報が隠ぺいされていたことが明らかになってきています。大本営には、我々随分騙されてきたのに、まだ、まだ甘いなぁと思わされました。

外は良くとれていて、この会社の建物のマークやエコ自動車は、なかなか良い出来です。

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2011年5月30日 (月)

仙人の家オープン前日お披露目会

このところ、ブログ更新をさぼっていたので、だいぶ前の話になります。

http://regional-innovation.cocolog-nifty.com/tanashi/2011/02/post-31b0.html

http://regional-innovation.cocolog-nifty.com/tanashi/2011/05/516-389f.html

でお知らせした仙人の家が5月16日からオープンになります。

5月15日(日)に東伏見の仙人の家で、オープン前日のお披露目会が開催されました。

インスタントカメラを久しぶりに使い、フラッシュをたき忘れたので、部屋の中の写真は、今いちでした。外の写真は、まぁまぁだったので、アップしておきます。

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全体の外観

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二階に通じる階段にもお花が。

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仙人と、仙人の家の看板(東伏見コミセンの嶋田さんが作ったとのこと)

「むすんでつないで」のしゃぼんさんのブログには、室内の良い写真がありますので、ご参考まで。

http://blog.livedoor.jp/ricorico_5139/archives/51617745.html

仙人の家のHPもできるとのことですが、まだのようなので、電話番号を記しておきます。

042-461-2365(竹中) 

◆営業時間:月・火・木・金(水曜日定休) 午前10時から午後4時まで

誰でも、自由に使えます。トイレはバリアフリー、奥座敷で授乳やおむつ交換ができます。

お湯がポットに用意されており、有料のお茶(50円)・コーヒー・紅茶(150円)が用意されています(これが運営費に使われます)。

◆このほか、スペースを時間貸しします。

定休日(水曜日)を除く、ウイークデイの夜間と土・日・祝日の午前・午後・夜間を時間貸しします。グループの活動の場として、会議・研修・交流に使って欲しいとのことです。

持ち込み自由ですが、事前登録が必要。利用規約を守ること。

このほか、壁面を貸しギャラリー(1週間単位)としています。

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まだまだ、始まったばかりで、これからどんどん進化していくそうです。皆で知恵を出し合って、地域のたまり場として、良くしていきたいものです。

仙人の家のFACEBOOK

2011年2月26日 (土)

東伏見コミセン2

●子供たちもちゃんと選んでいる

東伏見コミセンの事務室は、子供たちが自由に出入りしている。

「ちょっと荷物置かせて」とやってくる子。大した用事もなさそうだが、嶋田さんに声を掛けてもらいたくって立ち寄る子。嶋田さんは、その都度「アンプ自分で買えよ、お年玉残ってるんだろ」とか、「風邪ひくなよ」とか、何かしら声を掛けている。

嶋田さんによると、家にもほっとできる居場所がないと思っている子は多いという。自分が本当に困った時に、親が自分のために何かやってくれるかどうか不信感を持っている。

子供たちは、結構嗅覚が鋭い。いざというと逃げる大人か、自分に向き合ってとことんつきあってくれる大人かちゃんと選別している。嶋田さんは、子供たちからちゃんと信頼されているのだろう。

●地域で学校を支える

嶋田さんは、子供たちに関することにさまざま係ってきた、その結果、さらに子供関係の仕事が増えてしまうことになっているようだ。

西東京市には、「青少年育成会」というのが地区ごとにあって、地域で子供たちの行事をしたり、通学路の安全点検防犯・非行防止などを行っている。嶋田さんは、保谷第二小学校がある新町柳沢地区の育成会の会長もしている。

また、西東京市では、「地域教育協力者活用事業」というのもやっている。これは、たとえば倶楽部活動でお茶やお琴の先生に来てもらうほか、学習指導補助や行事の補助をするなど、学校の事情に即してこの制度が活用されている。

嶋田さんは、保谷第二小学校で、時には、学習指導の補助をしたり、学校行事の手伝いをするほか、生徒の相談や、時には先生方の相談にも乗っているらしい。

新任の先生は、自分自身がまだ社会人1年生なのに、急に生徒を受け持つという責任を負うだけでなく、親という大人と向き合わなければならない。私だったらパニックに陥いってしまうだろう。そんな時、経験豊富な嶋田さんは、頼りになるはずだ。

嶋田さんのような人は、「教育は学校に任せればよい」と考える世間の風潮から見れば、「お節介」なのだろう。でも、学校という純粋培養のような閉鎖社会に風穴を開け、実社会の空気を入れ込むバルブのような役割を果たしている。

●4年生が小動物の世話をする保谷第二小学校

嶋田さんは、全国学校飼育動物研究会運営委員もやっている。

昔は、小学校には、必ずうさぎとか小動物が居るのが当たりまえで、特になんとも思っていなかったが、実際に小動物を飼うとなると、いろいろな問題があるということを初めて知った。

たとえば、夏休みや冬休みは、どうするのか。エサやりの問題だけでなく、フンの掃除の問題もある。病気になった時には、どうするかの問題もある。

西東京市の学校では、地元の獣医師会と連携して、定期的に健診してもらったり、病気になった時に駆けつけられるようになっているという。この動きは、他地区より早かったようだ。

私の子供の頃は、どうだったのだろう。確か、学校には、小使いさんと呼ばれる住み込みの家族が居て、この人たちが見てくれていたのかもしれない。

嶋田さんが具体的にどう係ったかは、聞き損じたのだが、保谷第二小学校では、4年生が親子で、責任を持って動物を飼うことになっていて、係りになると、冬休みとか夏休みの長い休日の間でも、交替でエサやりや掃除をすることになっているという。三学期末ともなると、4年生から3年生に「飼育引き継ぎ集会」が開かれている。

小動物の飼育では、保谷第二小学校が優れているのか、西東京市での他の学校ではどうなのかについての情報は、まだ得られていない。

●子育てしやすいまちづくり

嶋田さんは、東伏見コミセンの周りには、保谷柳沢児童館もあるし、武蔵野公園もあるし、社会福祉協議会が伏見通り「街なかサロンにこにこ」もある。まもなく三世代が目的なく集まったり、交流する仙人の家もできる。

子供も大人も、その日の天気や気分、時間帯に合わせて、居場所を選択できる。

子育てしている親が楽しく、安心して子育てできれば、また子供を産もうという気になる。

この地域を子育てがしやすい場所、子供たちが安心していられる場所にしたいと抱負を語る。

考えてみれば、私が住んでいる南町の付近には、公民館、図書館、体育館などもあるが、子供たちも、高齢者も、タムロできる居場所はない。

エネルギーを持て余している高齢者は、リビンやアスタに散歩がてら買い物に行き、アスタの2階でおしゃべりするくらいだ。

嶋田さんは、NPOになったので、他地域の指定管理者制度も受けてみようかと思うと言っている。自分がこれまで経験したり蓄積したノウハウを活かせられるなら、他地域にも使ってもらおうと思っているという。実際、武蔵野市の新しくできるコミセンの企画にも係っているようだ。

これは、なんだか、もったいない。

私が研究しているテーマでは、ノウハウを一般化し、「スケール・アウト」(他地域に応用していくことにより、イノベーションを起こす)は、重要なポイントなのだけれど。

嶋田さんのノウハウを、他地域に広めるのはそれはそれとして、もっと西東京市のなかで活かして欲しいものだ。

【宿題】

1.西東京市は、小中学校を地域で運営していく「コミュニティ・スクール」には、まだ取り組んでいない。三鷹市や世田谷区での取り組みが進んでいる。島根県海士町では、「郷土を愛し、問題発見から解決方策を見出す人財」を作るとして、高校づくりを始めている。このように、人口流出が著しく、切羽詰まった地域では、どういう子供たちを育てたいかという明確なイメージを打ち出せるが、西東京市のようなまちで、どういう教育をして欲しいというだけの心構えが出来るものだろうか。三鷹市や世田谷区では、本当にやれているのだろうか。文科省の施策は、方向としては良いのだが、地域の受け皿ができていないと有意義なものになりえない。これを検討するのは、これからの課題。

2.「居場所」については、いくつかの論文を見つけた。居場所とは何かの整理、子供だけでなく、定年退職した人、高齢者、子育て中の親、介護中の子供などなどに適用できると思っている。単なる居場所ではなく、必要とされると認識できる場所とすると、コミュニティビジネスなどともかかわってくる。これについては、三鷹ブログ村での情報もある。この検討も、宿題。

高齢者の居場所については、レポートをまとめた(こちらのブログ参照)。

2011年2月23日 (水)

東伏見コミセン

●部活部屋のような雰囲気

前の記事で紹介した「仙人の家」に行く途中、東伏見コミセンでトイレをお借りした。

お役所なので、用もないのに、トイレを借りると怒られるかなぁと思いつつ、こそっと入り、一応自販機でお茶を買ってごまかした。

ところが、なんだか空気が違うのに気付いた。夜の19:30というのに、中学生か高校生か分からないけれど、子供たちがいっぱいいるのだ。それもただタムロしているという不良じみた感じではなく、皆、何人かでそれぞれ机を囲み、何かに取り組んでイキイキしている。

この空気って、とっても懐かしい。

言ってみれば、部活の部屋のような感じだ。

それぞれが好きなことをしながら、居心地がよく、居ついているというような感じ。

カップヌードルを食べている子もいる。

こんなことをしたら、部屋が汚れて怒られそうなのに、大丈夫なのだろうか。

事務局の人はいるようだが、別に注意したりもしていない。

こんな場所が田無にあるなんて!?と思った。

「仙人の家」は、大人も、子供も対象にした居場所づくりをするって聞いていたけれど、ええっ、もうあるじゃないの。「公的」にこんな場所があるのに、なんでまた別に作る必要があるの、と思った。

この疑問を田無ソメ研の人々にぶつけてみたら、あそこは、公設民営で、嶋田さんという人が長いことかけて、ああいうスタイルを実現するようになった、嶋田さんは、この「仙人の家」も、最初からかかわっているのだという。

そこで、急遽、嶋田さんにお目にかかりたくなり、メールをして、インタビューに応じてもらった。

●設計段階から子供たちが参加

嶋田さんは、もともと手話のボランティアなどをしてきた。結婚し、合併前の保谷に引っ越してきてから、ある保護司の方と知り合い、それをきっかけに子供たちの世話をするようになった。問題を抱えた子供には、警察や裁判所に幾度も出かけ、とことん面倒を見てきた。

道路拡張もあって、ここにコミュニティセンターを作ろうという話が持ち上がった時、日頃子供たちの面倒を見ている嶋田さんにも準備委員会に参加して欲しいと声がかかった。それなら、子供たちの声も反映して欲しいと提案、中学生3人を準備委員会に入れた。

すると、「食事が出来る場所が欲しい」、「音楽の練習がしたい」などの意見が出て、設計の段階から子供たちの意見を反映させた。

準備委員会は、その後運営協議会となり、さらにNPO法人西東京コミュニティひろばNCHを発足させた。現在は、指定管理者制度により、このNPO法人が西東京市から委託されて運営にあたっている。嶋田さんは、NPO法人の事務局長であり、東伏見コミセンのセンター長というお立場だ。

●自由に使えて、飲食もできる、ただしゴミは持ち帰り

1階の多目的ホールは、ゴミさえ持ち帰れば飲食自由なので、子供たちが勉強したり、イベントの相談などをしている。子供たちだけでなく、定年後、一日ここで過ごしている年配の方もおられるとか。すぐ近くに武蔵野北高校があるので、高校生が中学生に勉強を教えることもあるという。

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「ゴミとか、食べかすとか、汚したりしないのですか」と聞いたところ、子供たちには、「君たちが汚したり、人に迷惑をかけると、規則が厳しくなって、居心地の悪いことになるよ」と言ってあるとのこと。

汚せば、自分たちにとって損だと分かれば、子供たちは、自分から綺麗に使おうとするのだ。

嶋田さんが子供たちを信頼していることが分かっているので、厳しいことを言われても、子供たちは納得してルールを守るのだ。

2階には、①調理室兼会議室、②会議室。調理室では、よく嶋田さんがカレーなど作って皆で食べるという。

●音楽機材の揃った部屋

3階には、③和室、④集会室兼音楽室がある。

この施設で、何よりうらやましいのは、④の音楽室だ。

ドラム、ギターアンプ、ベースアンプが揃っている。子供たちはもちろんのこと、最近では、フォーク世代のお父さんたちも結構使っているらしい。間仕切りで区切れる集会室ではダンスの練習もできる。

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間仕切りを取り払えば、ちょっとしたイベントをここでやることも可能だ。

私は知らなかったのだが、こういう施設が揃ったコミセンは、他市にもあるらしく、東伏見に限ったことではないそうだ。時代が変わって、お茶室よりも、こうした音楽室の方が若者には喜ばれる時代なのだろう。

●子供たちが企画・運営する音楽イベント

ハードが揃っているだけでなく、子供たちが自主的に音楽祭を企画・運営できるというのも、ここの特徴と言えるだろう。

今年で第9回になる「ミュージック★パーティ・イン・西東京市」は、中学・高校生が企画から運営まで行っているダンス・バンドのコンサート。こもれびホールの大ホールを貸し切って行う。ホールを借りる予算は、市が負担してくれている。22歳まで出場資格があり、出身在学校は、小中高校から大学まで26校に及ぶ。

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ドラえもんの世界には、いじめっ子もいるが、子供たちだけの世界が描かれている。しかし、最近では、塾通いやゲームなど個室で遊ぶ子が増え、子供たちが自分たちの世界を持つ機会はなかなか無いように思っていた。

でも、ここでは、それが可能だ。

それも、中学生や高校生、違う学校の生徒などが一緒に何かを成し遂げるチャンスがあるのだ。

なんだか羨ましい!

東伏見コミセンの年間延利用者数は5万5000人、約半分が中高生とのこと。予約の要らない1階の多目的ホールは年間2万6000人ほどが利用している。

集会室兼音楽室は、16時から19時、19時から22時の利用はほぼ100%で、年間延1万人が利用している。利用状況のエクセルはここ。「higashifushimikomisenriyoujyoukyou.xls」をダウンロード

武蔵野市など早くからコミセン利用が活発であったところは、自治会が運営しており、運営者も利用者も高齢化していることが課題らしい。青少年の利用が多い東伏見コミセンは、その意味でも注目されている。

なお、子供たちがきちんと利用しているといっても、壁を傷つけることもある。それを嶋田さんがこっそり壁紙を貼って修理し、さらに修理したところが見えないように、額を飾っていた。こういう細かい苦労はあるんですよと笑っておられた。

本当に、好きでなければできない仕事だ。

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