イノベーションって難しいことではない
7月22日に、地域イノベーター養成講座の第二期が終了し、同時に第一期の同窓会を開催しました。
1.イノベーションって別に難しいものではない
地域イノベーター養成講座を2回やってみて、私自身が感じたこと。
それは、「イノベーション」なんて言うと、難しそうで、エジソンとか、ジョブズとか、なんだか偉い人がやり遂げるものだと思っていたけど、そうじゃないということ。
ごく普通の人が「あったらいいのに」「こうだったらもっといいのに」と思うことは、現在、誰も提供してくれていないことなので、それを実現すれば、立派な「イノベーション」になる。
2.今は、世の中が行き詰っているから、種がいっぱいある
物質文明というか、大量生産・大量消費の時代が行き詰っていて、世界中に歪が生じている。それをいわゆる偉い人(これまでの体制のなかで権力を持っている政治家だったり、学者だったり)も、解決するだけの智恵がない。
ここは、普通の人が原点に帰って、「なんかヘン」「どうしてこうならないの」と素朴に感じる疑問がおそらくもっとも正しい。
その一つひとつの疑問は、小さなことかもしれないけれど、それが意外に解決の糸口になる可能性を秘めている。
「あったらいいな」を実現するには、これまでの方法や仕組みでは無理なので、そこにちょっとだけ智恵がいる。
たとえば、視点を変えて、利用できる資源を見つけ出し、新たに組み直すだけで実現できる場合もある。
3.実現できるかどうかは、想いの強さによる
イノベーションを実現できるかどうかは、その想いを本当に実現したいと思うかどうかによる。
スティーブ・ジョブズは、おそらく、子供がおもちゃを欲しがるように、iPADが可能にした暮らしを強く求めていたのだろうと思う。「どうして聞きたくない曲が入っているCDを買わなくちゃいけないの」「欲しい曲だけ買うことはできないの」・・・・と。
第一期・第二期の受講生の「あったらいいな」に対する想いが本当に強いものかどうかは、まだ分からない。途中で挫折して、「もう、や~めた」となるかもしれない。
誰かに強制されるものではないので、本当のところ、いつ止めたって構わないのだ。
でも、養成講座の門を叩いたということは、彼ら・彼女らにとって、「あったらいいな」を実現することは、おそらく、自分の生き様のようなことに結びついており、そう簡単には、降りられないのではないかと思う。
仕事をしながらだったり、生活基盤を固めながらのことであったり、周りに支援者を見つけるのに時間がかかることだったりと、すぐには実現しないかもしれない。また、最初から100%望み通りにはならないかもしれない。
でも、きっと何らかの形で実現に向かって半歩ずつでも、進んでいってくれるに違いないと思う。
4.実現のプロセスが楽しいともっと良い
「あったらいいな」を形にしていくにあたっては、プロセスも楽しい方がやり遂げられる可能性が高い。
養成講座の事例では、「元気なシニアがお出かけしたくなるサイト」を作るというプロジェクトにあたって、いろいろと面白い意見が出た。
その一つは、お奨めイベントを投稿した人の顔・個性が見えるようにした方が良いのではないかということ。そして、△△さんのお奨めイベントに行ったら、とっても楽しかったなどの反応があれば、その投稿した人は、またまたやる気になるという意見だ。
また、このプロジェクトを言いだした人は、多摩には2兆円ものお金を持つシニアがおり、この人たちがお金を使ってくれることが経済の活性化につながると思っている。・・・それなら、タイトルからして「多摩に眠る2兆円をもっと使おう」みたいな直接的なものにした方が良いのではないかという意見が出た。
「高幡不動のつつじが見ごろです」という情報だけでなく、その帰りに、〇〇店のランチが美味いので是非・・などとつなげたら、もっとお出かけしてお金を使うんじゃないかという訳だ。
お出かけで使ったお金がたとえば3000円だったら、ポイント3点とかして、ポイントが100点になった人は表彰されるとか、ブログに今週の上位20人などに載るなどゲーム性を高めると、参加する人も張りが出るかもしれない。
こんなふうに、同じやるなら、楽しめるやり方を考えつくと良い。
5.Facebook格差と足元へのリーチ
昔、パソコン通信黎明期の頃、役所の研究会にこれを導入してみた。すると、パソコン通信をやれる委員とそうでない委員との間に大きな情報格差が生まれてしまった。
パソコン通信ができる委員同士や事務局は、月1回の研究会の間も情報交換が出来るので、考え方も進むし、一体感も生まれるのだが、そうではない委員は、取り残されてしまうのだ。
今回もFacebookの非公開グループで、講座と講座の間も議論をしたり、貴重な情報を誰かが提供して密度の濃い情報交換をした。このため、受講生同士の仲間意識も高まった。
しかし、携帯メールだけの人は、どうしても、大量の情報をやりとりできないので、議論の流れに乗ってもらいにくかった。
一方、集客も、Facebook頼りになってしまい、Facebookつながりで、遠方からの受講生も来てくれたのだが、逆にFacebookをやっていない地元の人にほとんどリーチできなかった。ここをどうクリアしていくかは、養成講座主催者としての今後の課題である。
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